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商品に込められた想いを取材しました。
公開 2022/10/28(最終更新 2023/07/21)

日本一との呼び声高い八街産の千葉半立

発売から約15年、ほとんど宣伝もせず、千葉県内の店舗のみで販売されていたピーナツバター。
千葉県佐倉市に本社を置く落花生専門店・有限会社八街ピーナツ(以下八街ピーナツ)の「ピーナツバタークリーミー」は、まさに「知る人ぞ知る逸品」として愛されてきたロングセラー商品です。
「ピーナツそのものの風味を感じられる」
食べた人は皆、そう口をそろえるといいます。
それは、千葉県産落花生の代表品種「千葉半立(ちばはんだち)」を使用しているから。
昭和27年に千葉県農業試験場で在来品種から選抜育成した品種で、草が上を向く品種(立性)と横に伸びる品種(ほ伏性)を掛け合わせていることから、「千葉半立」と名付けられました。
八街ピーナツでは、中でも日本一との呼び声高い八街産にこだわっています。
千葉半立の特長は、豊かな風味と深いコク。
無添加・無着色・保存料不使用で、あえて甘さは抑え、素材の良さを最大限生かしているのが八街ピーナツの「ピーナツバタークリーミー」です。

「落花生屋として、本当においしいピーナツバターを作りたい」

八街ピーナツの創業は昭和61年。
現在の代表取締役・渋谷暢洋さんの父、渋谷健三さんが、元々営んでいた仕出し弁当屋を落花生専門店に切り替えたのが始まりです。
現在は、臼井工場売店・八柱店・八千代中央店・市原店と、千葉県内に四つの店舗を展開し、落花生から加工品まで、さまざまなオリジナル商品をそろえています。
当初はいった落花生を業者から仕入れて販売していましたが、おいしさを追求するために焙煎(ばいせん)機を購入し、自社でいるように。
「自分が納得できる味のものを、自信を持っておすすめしたい」との想いから、目利きができる問屋さんから良い環境で育った千葉県産落花生のみを仕入れ、佐倉市の本社工場で製造しています。
「ピーナツバタークリーミー」の商品開発に挑んだのは、創業者である健三さんでした。
無類の甘党だったという健三さん。
しかし、「さすがの甘党でも、市販のピーナツバターは甘過ぎる」と感じたのがきっかけだったそうです。
「落花生屋として、本当においしいピーナツバターを作ってみよう」
そこから健三さんの試行錯誤が始まりました。
「理想の舌触りや甘さにたどり着くまで、油や砂糖などの素材選びや配合バランスには苦労したはず。商品開発には相当の時間がかかったと思う」と、2代目としてその味を受け継いだ渋谷さんは話します。
落花生屋のプライドと探究心が、千葉半立ならではの甘みと香りを楽しむピーナツバターを生んだのですね。

一方、こちらの「純ピーナツペースト」や「ピーナツパウダー」は無糖で、さまざまな料理に活用が可能です。

例えば純ピーナツペーストは、とんかつの肉に塗ってから衣を付けると、ふっくらやわらかで冷めてもおいしいとんかつになります。
焼き肉のたれに混ぜるのもおすすめです。
ピーナツパウダーはみそラーメンとの相性が抜群!
ごまあえのすりごま代わりに使う人も多いのだとか。

職人技の「いり加減」が味を決める

落花生自体の品質の良さもさることながら、その味を大きく左右するのは実は「いり手のいり加減」です。
「そこにかかっていると言っても過言ではない」と渋谷さん。
八街ピーナツでは、特に火加減といり時間にこだわっています。
火が強過ぎると一気に水分が飛んでしまい、外側だけ焦げて中心まで火が通りません。
そのため、とろ火でじっくり時間をかけて火を入れていきます。
ベストないり時間は気温や湿度などによっても変わるので、都度調整が必要な繊細な作業。
釜から出すタイミングは、長年の経験で培われた渋谷さんの感覚のみを頼りにしています。
まさに「職人技」なのです。
品種や天候などにより前後しますが、千葉県の落花生の旬は10月中旬から12月下旬。
その時季に収穫された新豆は水分を多く含んでいるため、特に時間をかけていり上げています。
渋谷さんは「千葉県を代表する農作物である落花生を大事にし、その魅力をもっと世の中に広めていきたい。八街産にこだわっている以上、安さで勝負することはできないが、価格に見合った味だという自信はある。本物を知る人にこそ食べていただきたい」と語ってくれました。
千葉県が誇る落花生、ぜひ一度味わってみてください。贈り物や手土産としてもきっと喜ばれますよ。

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