光にかざすと、透明感のある小波模様がステンドグラスのように輝くディンプルアート。
その秘密は使われているユニークな凹凸絵の具にあります。
車のフロントガラス廃材から作られているのです。

公開 2022/11/06(最終更新 2022/11/01)

廃材をリサイクル 光とさざ波のアート
飛散防止のためプラスチック中間膜で貼り合わされたフロントガラス。
ガラス原料として再利用するには膜を除去する必要があり、技術がなかったこれまでは年間5万トン(プール45個分)が廃棄されていました。
ですが近年、環境問題に取り組む宇都宮大学・木村名誉教授の工学研究により技術開発に成功。
中間膜をはがし、ガラスも膜もリサイクル可能に。
その膜で作る絵の具で描いた絵は美しい凹凸模様が現れ、アートにつながりました。
SDGsも意識して世代を超えて楽しむ
作業療法士の児島真理さんは、リハビリテーションにアート制作を取り入れており、SNSを通してディンプルアートに出会いました。
つややかな色彩と予想外の原材料、その社会的意義に感銘を受け、インストラクターの資格を取得。
勤務先でのリハビリに導入したり、子育て支援施設や公民館でワークショップを開催したりと、その楽しさと魅力を広く伝えたいと活動しています。
「色使いや表現など、子どもたちの感性に驚かされます」と児島さん。
「廃材を再利用した絵の具は使うほどエコに貢献できます。開発者の思いを周知しながら、世代を超えて楽しめるアートで達成感や自己肯定感を育むきっかけにもなれば」と抱負を話してくれました。(取材・執筆/雪道)
※問い合わせ
電話番号/080-1073-8285 児島
メール/rosemary.kojirock@gmail.com
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