「グラレコ」ことグラフィックレコーディングは、いま注目のビジネススキルです。
テレビでも活躍中のグラフィックレコーダーとんぷさん(狭山市在住)に、これまでの歩みと、グラレコのメリットや描き方のコツを聞きました。

公開 2022/12/20(最終更新 2022/12/19)

元公務員が見つけ出した新しい自分
「自分の考えを相手にうまく伝えるのが難しい!」、そう感じたことはありませんか。
グラフィックレコーディングは、イベントの記録や会議の議事録を、イラストと文字でリアルタイムに記録して分かりやすく伝える手法です。

「会議の内容がより頭に入りやすい」「効率的な話し合いができる」など、ビジネススキルとしても注目。
興味があれば特別な画力がなくても身に付けられる技術だそうです。
「言葉や思いだけでは伝わらないことを簡単なイラストで表現すると『あ!なるほどね』とお互いに理解することができます。未経験でも慣れてくれば楽しいですよ」
そう話すのは、2022年4月から、日本テレビ系情報番組「スッキリ」のグラレコ担当として活躍中のとんぷさんです。
地方公務員時代に「自分の特技は何だろう」と考え、スキルシェアサービスで100人以上のフリーランスと交流を持つ中で、グラレコに出合いました。
それまで絵を描いてこなかったとんぷさんは独学で学び、グラレコを用いて研修報告書を書いたところ、職場内でも「分かりやすい」と話題に。
半年間ビジネススクールに通い、その難解な講義内容を毎回グラレコにまとめ上げたことで、定期的に描くサイクルが定着しました。
その後、公務員限定オンラインコミュニティーで全国約120人の公務員にグラレコを指導。
現在はフリーランスで、グラフィックレコーダー講師としても活躍中です。
〇△▢をベースに描いてみよう
初心者にお勧めの方法は、〇△▢をベースにしたイラストを描くこと。
簡単に描けるイラスト集などを一冊参考にすると取り組みやすいそうです。
企業やイベントに引っ張りだこのとんぷさんは、「絵は一瞬で伝える影響力があるので、伝えたい内容が間違って共有されてしまわないように、よく考えてから描きます」とプロの難しさを感じる一方で、今まで知らなかった業種から仕事の依頼があると、とてもやりがいがあると話します。
「今は障害者のためのデザインや、SDGsのイベントに呼ばれてグラレコを行うことで役に立てることがうれしいです。知らなかった世界を知ることができるのも、この仕事の魅力です」と朗らかな笑顔が印象的でした。(取材・執筆/飯塚まりな)
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