草加市内の就労支援施設で働く「職人」たちと、その感性に感動したデザイナーによって誕生したオリジナルカレンダー。

たちまち品切れになるほどの大きな話題を集めています。

2023年のカレンダー、今からでもお部屋やオフィスに加えてみませんか。

公開 2023/01/10(最終更新 2023/01/09)

ちいき新聞ライター

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それぞれが得意な仕事を生き生きと

草加市 福祉事業施設 カレンダー デザイナー
デザイナー岩渕さん(右)のサポートを受けながら真剣なまなざし

草加市内のNPO法人believeが運営する福祉事業施設cafe&farm Lento(レント)では、現在23人がそれぞれの好きな、あるいは得意な仕事に取り組んでいます。

弁当を作る人、配達に回る人、パンやスイーツを製造する人、カフェでコーヒーを提供する人。

また市内の飲食店や喫茶店の協力を得て、食材の余りやコーヒーかすを生かした小物を作るなど、SDGsへの取り組みも。

「ここでは『入所者』という言い方はしません。皆が仕事のプロなので『職人』と言います」と代表の関根共子さん。

製作物に絵を描くのもみんなが好きな仕事の一つです。

市内在住のデザイナー、niconikaこと岩渕加奈代さんは、夫が関根さんと知り合いだったこともあり、度々レントに行く機会がありました。

その都度、職人さんたちの感性や色彩感覚、表現力などに感動していました。

そこで「職人さんたちの絵でカレンダーを作ってみませんか」と提案。

みんな大喜びで賛同したそうです。

好きな数字を描いてデザイナーが構成

草加市 福祉事業施設 カレンダー
みんなが見守る中、絵の具を置いて…

岩渕さんが「1を描きたい人は?」「2を描きたい人は?」と声を掛けると、ちょうど12 人の手が挙がりました。

作業が始まると笑顔がはじけて、カラフルでユニークな色使いとデザインの作品が完成。

「一人一人の個性が生きた数字だけに、その特色を生かしたいと心を配りました。みんなとのコラボレーションで、世界に一つしかないカレンダーが仕上がりました」と岩渕さん。

草加市 福祉事業施設 カレンダー
「うまくできたね!」のグータッチ

「4」を描いた物江(ものえ)雅也さん( 23 )は「絵を描くのが好き。休みの時間はいつも何か描いている」とニコニコ。

「5」を描いた石川幹大(かんた)さん( 22 )は「お母さんは『すごいね』、お父さんは『上手にできたね』と言ってくれました」とうれしそう。

草加市 福祉事業施設 カレンダー制作
「4」を描いた物江さん(左)と「5」を描いた石川さん

「1年間、毎日作品を見てもらえるのは、職人のみんなの大きな誇りと自信につながります」と関根さん。

カレンダーは発売直後から大きな反響でたちまち完売間近となり、増刷予定とのこと。

草加市 福祉事業施設 カレンダー
完成したカレンダー(A3壁掛け型)

A3壁掛け型が1部1500円、卓上型が同800円。

レントで直接、またはネットショップのBASE(https://mss.thebase.in/items/68138892)でも購入可能です。

売上の一部はレントへ還元すると共に、障害者雇用向上のため、今後の創作活動の一部に充てられます。

詳細は問い合わせを。(取材・執筆/ひのき)

cafe&farm Lento
住所/埼玉県草加市柳島町584の2
TEL/048(916)6417
Instagram/https://www.instagram.com/cafe.and.farm.lento/