2022年10月22日、宮代町の東武動物公園駅西口エリアにおしゃれな横丁型店舗ROCCO(ロッコ)がオープン。

6戸(ろっこ)の空き家をリノベーションし、地域の新たな交流の場として生まれ変わりました。

手掛けたのは、地元出身の3人きょうだい。

その経緯と思いを聞きました。

宮代町の新名所「ROCCO」
6軒並びの平屋がおしゃれな横丁型店舗に。6店はデッキでつながり、店舗外観には1~6のナンバリングも

公開 2023/01/12(最終更新 2023/01/11)

ちいき新聞ライター

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きょうだいの雑談から生まれた企画

1970年に建てられ、長年空き家で荒廃していた6軒並びの平屋。

ある時、地元で建設会社を営む中村家の3人きょうだいがこの「6戸」に着目。

「あそこに店が集えば何か楽しいことができそう」と、雑談をきっかけにリノベーション企画が始まりました。

父親から建設会社の後を継いだ長男の中村英基さん、都内に設計事務所を構える次男の和基さん、長女でグラフィックデザイナーの幸絵さん、それぞれの知見を生かして、リノベーションのアイデアを見事に実現しました。

しかもその過程で、この平屋は3人の祖父の代に同社が建てたものと判明!

「まったくの偶然だったのですが、不思議な縁を感じました」と英基さん。

宮代町の新名所「ROCCO」
中村家の3きょうだい。左から英基さん、和基さん、幸絵さん。英基さんが着ているのはROCCOオリジナルTシャツ

築50年以上の骨組みはそのままに、外観と内装を全面的に改修しました。

外観は白と木を基調としたデザインで統一感を持たせつつ、内装は各店の個性を演出。

宮代町の新名所「ROCCO」
年季の入った木造の骨組み。古さを生かしながらどこまできれいにできるかのバランスが肝だったとのこと

店舗の前面には6戸をつなぐデッキが整備され、店と店の間には地元の日本工業大学の学生たちのアイデアで、学生が手掛けた作品が展示されています。

宮代町の新名所「ROCCO」
日本工業大学の学生らが制作した作品の一例。季節によって入れ替えも予定
宮代町の新名所「ROCCO」
夜も印象的なスポット。「以前のこの辺りは暗くて近寄り難かった。明るくなってうれしい」と地元の人に好評

地元や近郊から個性豊かな店舗が集う

ROCCOの空間には、地元や近郊から集まった個性豊かな店舗が勢ぞろい。

6戸のうち4戸は常設店です。

店舗No.1「Bespoke Coffee Roasters(ビスポーク・コーヒー・ロースターズ)」は、バリスタ世界大会で準優勝した畠山大輝さん(春日部市出身)が初めて実店舗を構えた、期待のコーヒースタンド。

「毎日のように焙煎具合やブレンドの配合を変えています。一期一会の味を楽しみに足を運んでくれたら」と畠山さん。

また、「初めてお店を構えてみて実感しているのが、毎日出てしまうコーヒーかすなどのごみの多さです。これを何かに活用できないか、考えて挑戦していきたい」と、これからの意気込みを語ってくれました。

宮代町の新名所「ROCCO」
ハンドドリップで丁寧にコーヒーをいれる畠山さん

店舗No.2には、春日部のお茶屋さん「おづつみ園」が手掛ける、本格ギリシャヨーグルトのお店「M YOGURT(エム・ヨーグルト)」が新規開業。

同店社長の尾堤宏さんは「健康管理のため、個人的に北海道からヨーグルトを取り寄せていたのですが、『それならご自身でお店を構えてみては』と薦められて」と、出店の経緯を話してくれました。

ランチ替わりにもなるサラダメニュー、フルーツと合わせたデザートメニューなど多彩なラインナップで、低カロリーで高たんぱくなギリシャヨーグルトの可能性を広げています。

ヘルシーなサラダメニュー(左)とスイーツ感覚のフルーツメニュー(右)。スペイン語で書かれたネオンサインもおしゃれ(M YOGURT)

その他、No.3にはお米にこだわるもち菓子店「宮代もち処 Jファーム」、No.4には老舗酒屋が運営する「サカヤ×ビストロ FusaFusa」が軒を連ねます。

そしてNo.5はシェアキッチン。

No.6は、お店でテイクアウトしたドリンクやフードを味わえる休憩場所として、また展示会や販売会、ワークショップなどに貸し出しも可能なオープンスペースです。

No.1の奥のスペースにはキッチンカーも登場し、平日・週末問わずにぎわいを見せています。

宮代町の新名所「ROCCO」
休憩や食事ができるスペースも。いすやテーブルにはさまざまな「再利用品」が活用されています

「以前のこの辺りは暗くて近寄り難い雰囲気がありましたが、明るくなってうれしい」とご近所さんの声。

「近くの保育園のお散歩ルートにもなっているそうで、賑わいが生まれているのがうれしいですね」と英基さん。

和基さんは「こだわりの物作りや地域とのつながりを大切にする人たちが、挑戦の場として活用してくれたら」、幸絵さんは「気軽に立ち寄れる、ずっと愛される地元の交流の場に」と期待を寄せています。

すでにお店同士のコラボ企画や季節のイベントなども随時開催中。

2023年注目のスポットです!(取材・執筆/ちゃぎ)

ROCCO
住所/埼玉県南埼玉郡宮代町道佛1-8-12
問い合わせ/roccomiyashiro@gmail.com
ホームページ/https://roccoweb.net/
Instagram/https://www.instagram.com/rocco_miyashiro/