長谷さんが箏を始めたのは7歳の時。
祖母と一緒に、市内にある体験教室に行ったのがきっかけでした。
公開 2023/01/15(最終更新 2023/01/13)

長谷さんと箏との出合い
「祖母には『パーティーに行こう』と誘われ、とてもうきうきした気分で出かけたら、パーティーではなく箏の教室でした。その時は『だまされた!』と思いましたが、祖母は一緒に箏を習いたかったのだと思います」と、当時を振り返り笑います。
中学、高校では箏曲部に在籍し、高校3年生の夏、「おかやま全国高校生邦楽コンクール」で最優秀賞を受賞。
東京芸術大学に進学することを決意しました。
「中学生の時に高校の進学について考えていた際、東京芸術大学の箏の先生との出会いがきっかけで、もっと箏を学びたいと思うようになりました」と長谷さんは話します。
長谷さんが大学で学んだ現代箏曲は、基本的な箏の楽譜である「縦譜」に加え、五線譜で書かれる曲を中心に演奏することが特徴。
およそ1960年以降に奏者や作曲家たちが多くの現代作品を生み出し、演奏されていると言います。
日本の音を伝えていきたい
大学卒業後は、出身の取手市をはじめ全国で演奏家として活躍する長谷さん。
演奏だけでなく、市内の小学校の放課後クラブで実施しているアート体験活動にアーティストとして参加し、子どもたちに箏の演奏を聞いてもらったり実際に箏に触れさせてみたりといった活動や、大学での講演など、普及活動にも積極的です。
「箏は、鳥のさえずりなど、その場の自然の音が合わさった音でもあります。また、日本の伝統音楽にある『間』という無音の時間にも、とても意味があります」と長谷さん。

「これからも、子どもたちやたくさんの方に箏と日本の伝統を伝えられたらと思います」(取材・執筆/ケロンヌ)