2022年、大相撲11月場所で初優勝を果たした越谷市出身の阿炎政虎(あび まさとら)関。

越谷市では市役所本庁舎や鉄道の駅などに祝福の横断幕を掲げて応援ムードは最高潮。

12月20日にはイオンレイクタウンで優勝パレードと優勝報告会が開かれました。

阿炎関 祝福の横断幕
越谷市役所本庁舎に掲示された祝福の横断幕

公開 2023/01/17(最終更新 2023/01/16)

ちいき新聞ライター

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ファン2000人が駆け付けた!

通路奥から阿炎の姿が見えた!

早くから通路両側に並んでいた1000人以上の観衆から歓声が上がり、ゆっくりと歩き始めると「優勝おめでとう!」「越谷の星!」などの声が飛び交い、「祝優勝」「感動ありがとう」などと書かれた手作りのプラカードや手拭いが揺れて、祝福ムードは最高潮に。

阿炎関 優勝パレード
イオンレイクタウンのセンターブリッジで行われた優勝パレードの様子

大きな体をゆっくり、ゆっくり。

時に立ち止まって両手を上げてサービス。

阿炎関は照れたような表情で周りを見渡し、知った顔を見つけたのか、うれしそうな笑顔を見せる場面も。

約850mの通路を堂々とした足取りで進みました。

茨城から駆け付けたという夫婦は、茨城県出身の高安関のファンとのこと。

前頭9枚目の阿炎関は、11月場所千秋楽の本割で高安を破り、優勝決定戦で高安と大関貴景勝を連破して優勝しました。

「高安関のファンなので敗れたのは悔しいけれど、阿炎関がかっこいいから今日はお祝いに来ました!」と興奮した面持ち。

多くの大相撲ファンを感動させたのです。

地元の応援を力にさらに上を目指す!

阿炎関は越谷市の西方小学校、大相模中学校、そして千葉県内の高校を卒業後、錣山(しころやま)部屋に入門。

当時から「師匠(元関脇寺尾)の番付を越えるのが目標」と稽古を重ね、順調に番付を上げていたものの、コロナ禍で不祥事を起こし協会から3場所出場停止の処分も。

大きく番付を下げましたが「この反省が今につながった」とは本人の弁。

パレードの後に開かれた報告会では、関係者からの祝福の言葉や、市や各団体からお祝いの品が贈られて終始笑顔。中でも、出身の小学校と中学校代表の女子生徒から花束を渡された時は、嬉しそうなニコニコ顔に。

パレードと報告会に集まった人は、主催者発表で2000人以上。

励ましの声に応えて阿炎関は、「多くの人が喜んでくれている声を聞くことができてうれしかったです。また一から出直して、さらなる高みを目指して頑張ります」と、力強くあいさつしました。

前頭3枚目で迎えた1月場所は、5連勝後に4連敗。

優勝した力士は直後の場所で振るわないというジンクスがありますが、さて、今年はどんな活躍で私たちを感動させてくれるのか、期待が膨らみます。

(取材・執筆/ひのき)

阿炎関 等身大パネル
越谷市役所本庁舎入り口には等身大のパネルが常設されています