愛らしい猫たちも、増え過ぎると大変。
猫と人とが共に幸せになるために必要なことは何か、越谷市内の動物病院が運営する保護猫カフェで話を聞きました。
公開 2023/01/31(最終更新 2023/01/31)

さまざまな背景の猫たちに新しい縁を
扉を開けると、迎えてくれたのはフワフワの毛並みのダイナちゃん。
人懐っこいこの猫は、飼い主が亡くなり新しい家族を探していました(ダイナちゃんはこの後「卒業」しました)。

「保護猫カフェさくら」は、さまざまな背景を持つ猫たちが、新しい飼い主との縁を得られるようにと作られました。
気に入った猫がいれば、面談・トライアルなどの後に自分の家へ迎え入れることができます。
カフェを運営するのは、のら猫に不妊手術をして元の場所に戻すTNR(Trap Neuter Returnの略)を主軸に行う「いながき動物病院」。
猫は繁殖力が強く、増え過ぎると近隣トラブルや適切な飼育環境を保てなくなる「多頭飼育崩壊」を招きかねません。
解決には繁殖力を抑える獣医療が欠かせませんが、院長の稲垣将治さんは動物病院で手術を行う中で、猫を保護した人々の負担に気付き、この場所を作りました。
店名の由来は、不妊手術済みの証しである耳先カットを持つ「さくら猫」から。
カフェにいるのは成猫が中心ですが、これは譲渡会では子猫が譲渡されやすいので、もっと多くの猫にチャンスを作るため。
猫も人も幸せになれる場所を目指しています(一般の人からの猫の引き取りは行っていません)。

笑顔を増やす、それぞれの保護猫活動

稲垣さんの考える保護猫活動は、「みんなでやろう!」がコンセプト。
「保護猫問題は多様で、少人数では終わりが見えませんが、みんなで取り組めば進んでいけます。自分に何ができるか分からない人に、『このくらいならできるかな』と思ってもらうことが大切です」
稲垣さんは、まずTNR特化の病院を開いて医療のハードルを下げ、猫と人との縁をつなぐ場所(保護猫カフェ)を作りました。
そして、正しい知識が得られやすいようにとホームページ「ノラホゴ」を開設。
猫を保護する時のポイントを詳細に説明しています。
それぞれができることをする。
カフェは、猫とボランティアスタッフの笑顔であふれていました。(取材・執筆/さくらごん)
