デザイナーの篠原ともえさんが、そうか革職人会と協働で制作した革の着物作品が、世界的な広告デザイン賞「ニューヨークADC賞」と「東京ADC賞」(2022年度)を受賞。
草加市文化会館内の「ぱりっせ」に展示されています。
公開 2023/02/28(最終更新 2023/02/27)

廃棄される端切れの革で何かできないか
皮革は草加を代表する地場産業の一つ。
3代続く伊藤産業(草加市瀬崎町)では鹿や羊の皮をなめし、手袋やバッグ、ジャケット用の染色仕上げ加工を行っていますが、その工程で出てしまう革の端切れは廃棄処分していました。
篠原さんから革の着物の制作・協力の話が持ち込まれた際にその事を話すと、篠原さんは廃棄予定のエゾシカの端切れの活用を提案。
加工し、90ものパーツを選定し、それを貼り付け、水墨画のようなグラデーションの見事な着物が出来上がりました。

作品は草加市文化会館1階、伝統産業展示室「ぱりっせ」(松江1の1の5)で展示中です。
開室は午前10時~午後5時、第1水曜休館。

篠原さんのこだわりに応えた職人の技術
伊藤産業社長で、そうか革職人会会長を務める伊藤達雄さんは、「篠原さんは何度も私たちの工場に足を運び、色合わせやパーツの組み立てなど、デザイナーとして細部にまでこだわりを見せていました。
こちらも本気で向き合い、技術力の高い定年後の職人を呼び寄せたほどです。
縫製会社などの協力も大きな力になり、世界的な賞を受賞したことは草加の革産業の技術力を世界に発信でき、後継者にも大きな励みになりました」と語りました。

そうか革職人会は現在24社が加盟。今年発足20周年を迎えます。
「ぱりっせ」では会員各社の革製品も求めやすい価格で展示販売されています。
(取材・執筆/トモ)

※問い合わせ
TEL/048-922-3477
草加市産業振興課
そうか革職人会ホームページ/http://soka-kawa.com/