日本とカナダのアーティストによる「望ノ社(もちのしゃ)」の影絵劇。

光と影が織りなすノスタルジックな作品が、新感覚の映像体験をもたらします。

公開 2023/03/07(最終更新 2023/03/06)

ちいき新聞ライター

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2012年から活動 世界40都市で公演

影絵カンパニー「望ノ社」は、影絵劇の制作・公演を行う国際人形劇団。

代表の矢内世里(やない せり)さんが演出と影絵美術を、副代表でカナダ出身のダニエル・ウィッシーズさんが脚本を担当しています。

影絵カンパニー  望ノ社
演出・影絵美術担当の矢内さん(右)と脚本担当のダニエルさん

イギリスの人形劇学校で出会った二人は、お互いの作品に引かれて2012年から一緒に活動を始めました。

翌年のカナダでの初演以降、世界8カ国40都市以上で公演を行い、数々の賞を受賞しています。

越谷市のアトリエで制作を行う矢内さんは、「いろいろな場所で活動していますが、地元にも貢献していきたい」と話します。

影絵人形
一体一体、手作業で丁寧に作られる影絵人形

 

多様な表現技法が望ノ社の作品の魅力

大きなスクリーンに映し出される多彩な映像は、異世界の雰囲気と、どこか懐かしさを感じさせます。

SFコメディー 宇宙カバ
代表作、SFコメディー「宇宙カバ」のワンシーン

二人が描きたいファンタジーの世界は膨大なセットを必要とするために、劇場で表現するのは難しいもの。

しかし影絵なら、紙や手など身近なアイテムを使いながらも、ファンタジーの世界観をスケールダウンさせずに表現できます。

また、望ノ社の作品は、「見る」だけでなく「体験する」感覚を味わえます。

数百体もの影絵人形を操る二人が位置するのは、スクリーンと客席の間。

観客は人形を操作する様子も同時に楽しむことができるのです。

影絵 スクリーン
スクリーンの前で二人が操作する姿を見られるのも魅力

巧みな人形操作は遠近法も利用し、登場人物たちの動きに立体感をもたらします。

複数のライトを切り替えることで編集もその場で行い、幅広い映像表現で観客を魅了。

まるで「アナログ映画を生で見ているよう」な感覚です。

影絵カンパニー  望ノ社

影絵カンパニー  望ノ社
代表作、ファンタジー冒険劇「Shadow Kingdom 影の王国」のワンシーン

 

目の前で生み出されていく不思議な光景に、「小さな子どもも60分間じっと見ていることができた」との声も。

矢内さんは「これからも親子で楽しめる作品を作っていきたい」と意気込みを語ってくれました。

(取材・執筆/さくらごん)

※問い合わせ
影絵カンパニー望ノ社
TEL/090-6176-7542
メール/info@mochinosha.com
HP/https://www.mochinosha.com/