文部科学省の令和4年度「学校給食優良学校等」として表彰された埼玉県春日部市立東中学校。
給食に対するさまざまな取り組みや思いを栄養教諭の山縣治美(やまがたはるみ)さんに聞きました。
公開 2023/03/28(最終更新 2023/03/22)

給食への関心が高く 委員の活動も活発

着任当時から給食、食育への取り組みが活発な学校だと感じていたという山縣さん。
その中心は常に生徒で、給食委員の活動も活発です。
例えば、授業・給食終了後、配膳室に来るまでの時間を記録する「配膳室のタイムキーパー」という取り組みは、食べる時間を確保できることで完食につながる要因の一つ。
また、委員が計画・進行を務める「スクールランチ集会」では、各クラスから集めた寄せ書きや感謝の手紙を調理員一人一人に直接渡し気持ちを伝えるなど、生徒と給食室の距離が近いのも魅力です。
調理員のモチベーションアップに大きな影響を与えているそうです。

生徒が考える「あったらうれしいメニュー」
「オリジナル給食メニューコンテスト」も開催しています。
給食委員30人が考えた献立を全校生徒の投票で選ぶという夢企画で、各学年から計3メニューが実際に給食の献立になりました。
中でも2年生から選出の「東がはこぶ幸せのパンケーキ」は本当に苦労したとか。
「給食室でパンケーキを作ったこともない、型もない。試作を繰り返しなんとか納得のいくものができました」。
栄養価、満腹感も考慮して生徒の献立に「鶏肉のトマト煮」をプラスするなど、ひと工夫。
苦労して作ったパンケーキは全校完食となり、給食室一同大喜びしたそうです。

衛生的でおいしくて「楽しい」のが給食
「給食は『おいしく衛生的に作る』ことが第一ですが、『楽しい』ものであってほしい」と山縣さん。
献立は季節行事の料理をはじめ、世界の料理、郷土料理や昭和のメニューなど多岐にわたり、校内に毎日掲示される「今日のひとこと」には、その日の料理の由来や意味、調理で工夫した点などが書かれていて、給食への思いが伝わってきます。

今後は、学校の中庭でお弁当形式で給食を食べる「パティオランチ」を復活させたいそう。
4月からの学校生活に期待が高まります。
(取材・執筆/まるこ)
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春日部市教育委員会学務課