スペインのプロチームの練習に参加、日本選抜の一員としても活躍が期待されるサッカー界のホープ太田雄翔(ゆうと)君。渡欧を控えた4月、練習前に話を聞きました。

公開 2023/05/10(最終更新 2023/08/31)

編集部 R
「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。
記事一覧へ世界に切り込む市川生まれのドリブラー
5月中旬からフランスで行われるCOAL CUP(コールカップ)は、リバプールやユベントスなどヨーロッパ強豪クラブの下部組織32チームによって争われるトーナメント。
日本選抜は特別に唯一アジアから出場します。
全国から800人以上が参加したセレクションを勝ち抜いた精鋭ぞろいの選抜チームで、フォワードを務める雄翔君。
快足ドリブルでならすレフティーです。

雄翔君がサッカーを始めたのは小1の時。
「サッカー楽しいよ!」という友達の一言がきっかけでした。
当時通っていたサッカースクールで出会ったのが「みつコーチ」こと池田光忠さん。
元Jリーガーの池田さんは、現在雄翔君が通うサッカースクール(MSK19)と、福島県の「いわきアビラーション」というジュニアチームの代表を務めています。
雄翔君は平日の夜2時間をMSK19で中学生に混じって練習し、週末は福島に移動してアビラーションの選手としてプレー。
年末の全国大会優勝を目指しています。


取材時も口数は少なく、はにかんだ様子の雄翔君でしたが、コーチいわく「ボールを持ったら止まらない、自分から相手に仕掛けていくタイプ。ゴールに飢えたドリブラー」とのこと。
実際、4月初旬に行われた12歳以下の国際大会では、予選リーグ3試合で8得点を挙げ得点ランキング2位につける活躍でした。
フィールドでは貪欲なストライカーの顔をしているのかもしれません。

サッカーを通して成長しさらなる高みへ

小4の時、大事な試合を前に骨折した雄翔君は「神頼みしかない」と10円を持って近所の神社へ。
ご利益があったのか無事に試合には出場でき、以来、節目ごとの参拝を欠かさないそうです。
プレーが大きく変わったのもちょうどこの頃で「得意のドリブルがめきめき上達し、自信がついた」と当時を振り返る池田さん。
「苦手なことにも向き合える気持ちの強さが育ち、日常生活でも困っている人に声を掛けるといった気配りができるようになりました」とも。
母親の志保さんも「幼い頃は、週末家族と離れて福島に行くのが寂しくて泣いていたこともありましたが、すっかり自立しました。サッカーを通して自己主張ができるようになりました」と息子の成長ぶりに目を細めます。

家での雄翔君は、小4の弟と2歳の妹の優しいお兄ちゃん。
アビラーションでの全国制覇という目標の先には、いずれ日本代表としてワールドカップ優勝という夢も広がります。
5月から約1カ月間、スペインリーグ1部所属チーム(ラージョ・バジェカーノ)の下部組織で練習に参加。
その合間にフランスでの国際大会(先述のCOAL CUP)に挑みます。
「誰よりもうまくなって世界でもドリブルが通用することを証明します!」と抱負を語ってくれた雄翔君 。
市川から世界に挑むストライカーに地元からエールを送りましょう!
Vamos!Yuto!