アクセルとブレーキの踏み間違えが引き起こす悲惨な自動車事故が後を絶ちません。
自動車部品メーカーの株式会社明和(埼玉県越谷市)は、その防止効果が期待できる画期的な制御装置を開発。
代表取締役の藤森正信さんに話を聞きました。

公開 2023/05/16(最終更新 2023/05/12)

アクセルを踏み続けさせないためには…
「アクセルとブレーキの踏み間違いで特に重大で悲惨な事故を引き起こすのは、『スピードが出てパニックになり、さらに踏み込んだり踏み続けたりして加速する』状況がほとんど。そのほんの数秒で時速90kmくらいのスピードが出ます。この『さらに踏み込んだり踏み続けてしまう』のを止められたら被害を少なくできると考えました」と藤森さん。
最近の車にはブレーキ補助機能や、急発進を制御する電子制御装置付きのものが増えていますが、既存車に装置を後付けするのは難しく、経済的な負担もネックです。
磁石とばねの力で急加速を防ぐ装置
そこで同社は「アクセルを強く踏み続けさせない」ことを目的に、埼玉大学大学院理工学研究科の楓和憲(かえで かずのり)准教授とその研究チームと共同研究をスタート。
既存車に後付けできる制御装置「アクセルブレーカー」を開発しました。

この装置には強力な磁石とばねが付いています。
通常走行では問題ありませんが、ブレーキと間違えて強くアクセルを踏み込むと磁石同士が離れ、足がアクセルを踏んでいない状態になって加速を抑制します。

磁石が離れた瞬間の「ガキン!」という音や足への衝撃で間違いに気付くことができ、装置はばねの力で元に戻るため、再び通常走行が可能です。

「電気のブレーカーが落ちた時にバチン!となる、あれをイメージして名付けました。弊社は越谷で起業して36期目。地域の皆さんにこの装置を知っていただき、悲惨な事故のない安全なまちづくりに貢献したい」と藤森さんは話します。
試作品の走行テストを1年以上行い、今年ついに製品化。
国内と国際特許を申請中です。
価格は3万3000円、取り付け費5500円。
適合車種は順次拡大中です。
明和の本社で試乗体験ができます。詳細は問い合わせを。
株式会社明和
住所/埼玉県越谷市東越谷7-12-18
営業/9:00〜18:00
定休/土・日曜・祝日
電話番号/048-966-3551
アクセルブレーカー機能紹介動画/https://www.youtube.com/watch?v=oNAH7kJrV8E