「庶民の原資料を捨ててはならない」。
約40年前、当時住んでいた山口県で絵本を作る傍ら、地元のお年寄りから昔話を聞き歩いていた島利栄子(しまりえこ)さん。

公開 2023/08/29(最終更新 2023/08/29)

優
「ちいき新聞」で記事を書かせて頂ける幸運にとても感謝しています。取材で訪れた街でのカフェ巡りは私にとって楽しい至福の時間。プロフィールの写真は「南房総に咲く幸せを呼ぶ花」カレンデュラです。取材で一番好きな花に出会えたこと‥うれしいです。すべての記事に「ありがとう」の気持ちを込めて!
記事一覧へ日記が語る庶民の思い・暮らし・文化
「高齢になったので戦時中に書いた日記を処分したい」という相談を何人もの人から受け、読んでみればそこには思い出とは違う、当時の苦難の記録がありました。
「私が引き受けましょう」そして島さんは1996年、「女性の日記から学ぶ会」を創設したのです。
集めた日記を研究し、人々の暮らしや文化、思いを探り、次代へ伝えていくため日記展や講演会を開催。
「日記の里を訪ねて」という活動では日記が書かれた場所を旅して理解を深めてきました。

戦時下を必死で生き抜いた女性の姿
集めた日記の中でも、明治・大正・昭和を駆け抜けた『吉田得子日記』や戦時中の母の気持ちがつづられた『大島静日記』などは歴史的史料と呼べる貴重な記録として出版しています。
「前の時代の女性がどういう苦労をしてきてどんな思いの上に現在の私たちがいるのか」島さんは日記からこのことを教えられ学び、それは感謝につながったと語ります。
寄贈された数千冊の日記は、現在八千代市立中央図書館に7割を寄託。
残りを自宅と長野県の実家「日記の館1号館」に保管中です。
今後は30周年誌の出版と若い人への継承を目指し、共に活動してくれる仲間が増えることを願っています。
※問い合わせ
メールアドレス/riekobaba@cam.hi-ho.ne.jp(島)
ホームページ/http://diaries-as-social-heritage.com/
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