昨年11月にオープンした市原歴史博物館(愛称: I’Museum Center)では、市制60周年記念事業として、市内に残る貴重な薬師如来像が見られる特別展を開催中です。

公開 2023/10/26(最終更新 2023/10/24)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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薬師如来信仰の中心地だった市原

市原歴史博物館 五色の布を背景にたたずむ仏像
五色の布を背景にたたずむ仏像

かつて上総国の政治の中心地として国府が置かれていた市原市。

さまざまな時代の貴重な遺物が残され、中でも薬師如来像を含む仏像彫刻は、県指定文化財が7件、市指定文化財が16件と多く、上総国における薬師如来信仰の中心地であったと考えられています。

今回の特別展は、市内に残る平安時代後期以降の優れた仏像を中心に、43体が集結。

薬王寺(市原市市原)の十二神将を従えた日光菩薩・月光菩薩立像、光明寺(市原市池和田)の秘仏などこれまであまり目にする機会のなかった仏像の他、印旛郡栄町の龍角寺の県内最古といわれる白鳳仏「銅造薬師如来坐像(国指定重要文化財)」も展示され、見どころ満載です。

会場内は「いちはら流行(はや)り病史」「流行り病と祈りのかたち」「いちはらのお薬師様」「国家から民衆の祈りへ」「くすりと予防策」の5つのパートに分かれ、古今の祈禱(きとう)道具や医療器具、経典なども紹介。

疫病に立ち向かう文化や風習の遷移を分かりやすく伝えます。

市原歴史博物館 二天立像(橘禅寺)
二天立像(橘禅寺)

ワークショップや関連イベントも充実

実際に参拝する気持ちで鑑賞してほしいと、エントランスは宮大工の手により、印西市泉福寺薬師堂のお堂を再現。

入り口で配布される千社札を参拝の印に貼り付ける体験もできます。

また、会場内3カ所に設置された「灯籠」にも注目を。

これは、光善寺にある県内最古の石灯籠を3Dスキャンして段ボールで再現したもの。

会期前の8月に、千葉大学と県立姉崎高校美術部の協力の下、有志の市原市民によって制作されました。

「仏像の3Dスキャン&色付け体験」など、会期中もユニークなワークショップを予定。

バスで市内の御利益スポットを巡る「市内ご利益街歩き」、五井会館で行われる講演会「中世房総の仏像について」といった、会場を飛び出しての関連イベントも実施されます。

「流行り病」に対応してきた先人たちの知恵や救いを求める祈りには、コロナ流行の時代を生きる現代の私たちも共感できる部分がたくさんあるはず。

当時に思いをはせ、疫病終息を祈願しては。

市原歴史博物館 ポスタービジュアル

会期/~12月24日(日)
開催時間/午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分)
休館日/月曜(祝日の場合は翌平日)
観覧料/一般800円、高校生500円、中学生以下無料
会場/市原歴史博物館
住所/千葉県市原市能満1489


◆仏像の3Dスキャン&色付け体験
※特別展観覧者限定
日時/11月18日(土)、12月2日(土)
各日午前10時30分~午前11時30分/午後2時30分~午後3時30分
※開始30分前から受け付け

◆市内ご利益街歩き
※特別展観覧者限定
日時/11月10日(金) 午後1時~午後5時 ※10月27日(金)までに要申し込み

◆講演会「中世房総の仏像について」
日時/12月10日(日) 午後2時~午後4時
会場/五井会館4階大ホール
住所/千葉県市原市五井中央西2-3-13
※当日午後1時30分から会場で受け付け

※全て参加費無料


問い合わせ
電話番号/0436-41-9344

\ 詳細はHPを参照/
https://www.imuseum.jp/rekisi_museum/tokubetsu/1100.html