ピアノと聞くと子どものうちから習い事として始めるイメージがあるかもしれませんが、実は大人向けの趣味としても人気です。左右の指で異なる動きをすることから、認知症予防などのうれしい効果も期待できます。
しかし、巷には数々のピアノ教室があふれているため、その中からどこを選べば良いかわからないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。この記事では、大人向けピアノ教室のメリットや選び方について解説します。これからピアノを始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
公開 2023/11/10(最終更新 2024/02/07)

目次
大人がピアノ教室に通うメリット
大人がピアノ教室に通うことには、さまざまなメリットがあります。しかし、「子どものうちからやらないと身に付かない」「今さら新しいことを始めるなんて恥ずかしい」と考えて受講を躊躇している方も多いのではないでしょうか。本当はピアノを弾きたいと思っているのに、このように考えて諦めてしまうのは非常にもったいないことです。
確かに「ピアノは子どもが習うもの」とよくイメージされますが、大人だからこそ違った目線で楽しむことができます。また、楽器を始めるのに年齢は関係ありません。むしろ、大人になってからでも挑戦の心を忘れないのは大変素晴らしいことです。
また、「自分には音楽の才能がないから」という方もいますが、ピアニストとして食べていくのでもない限り、特別な才能やセンスは必要ありません。ピアノを弾きこなすために大切なのは才能やセンスではなく、本人の努力、そして「自分で好きな曲を弾きたい」「音楽が好き」という純粋な気持ちです。その想いを大切にして、勇気を出してピアノ教室の扉を叩いてみてください。
脳の活性化につながる
ピアノは左右の指でそれぞれ異なる動きをするため、脳の活性化に繋がるのが大きなメリットです。また、目では楽譜を追う一方で耳では奏でられる音を聴き取ろうとするなど、複数の行動を同時にこなす点でも脳が鍛えられます。そのため、ピアノを弾くことは認知症の予防などに効果的です。
実際にピアニストは認知症になりにくく、長寿の方も多いといわれています。脳に直結する神経が指先に密集しており、細かな動きをすることで脳にプラスの影響を与えていると考えられるためです。
ストレス解消になる
ストレス解消に繋がるのも、見逃せないメリットです。仕事などで嫌な出来事があっても、いざ練習が始まると弾くことに集中せざるを得ません。楽譜を見て指を動かしながら音を奏でるという行為は、雑念があるとスムーズにできない場合が多いからです。弾いているうちに、自然と頭が切り替わっていくのを感じられるでしょう。
まだピアノを始めたばかりの頃は思うように指が動かず、悔しい思いをする日もあるかもしれません。しかし、練習を続けていくうちにスムーズに弾けるようになっていきます。少しずつ成長を感じる中でメンタルが安定し、よりレッスンへのモチベーションにも繋がるでしょう。
同じ趣味を持つ仲間ができる
同じ趣味を持つ仲間ができるのも、ピアノ教室に通うメリットです。子どもの頃とは異なり、大人になると自ら動かない限りなかなか新しい出会いはありません。ピアノ教室に通っていると、他の生徒さんと交流する機会が格段に増えます。その中には、普通に日常生活を送っていたのでは出会えないようなバックグラウンドを持つ方もいるかもしれません。
共通の志を持つ仲間ができると、練習へのモチベーションも高まります。日々を楽しく過ごせるようにもなるでしょう。また、思いがけない人脈により新たな人生も拓けるかもしれません。様々な出会いと可能性が待っているのが、ピアノ教室です。
大人向けピアノ教室の選び方
大人向けピアノ教室と一口にいっても、その中からどこを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。以下では、失敗しないための選び方のポイントをご紹介します。
初心者におすすめの基礎から学べるピアノ教室
初心者には、基礎から学べるピアノ教室がおすすめです。初級コースなどがあるところを選ぶと失敗が少なくて済みます。レッスン形式は大きく分けてマンツーマンとグループとがありますが、初めての方にはマンツーマンレッスンがおすすめ。グループレッスンだと、一人ひとりのレベルに合わせたカリキュラムが組みにくく、付いていけなくなるリスクがあるためです。一方で、マンツーマンレッスンは講師と一対一なので、レベルに応じたところからスタートできます。きめ細かく指導してもらえるのも嬉しいポイントです。
ただし、グループレッスンが必ずしも悪いわけではありません。仲間と一緒に切磋琢磨しながら実力を磨いていきたい方には、グループ形式がおすすめです。人目を気にせず落ち着いて練習したい方、講師にじっくりと向き合ってもらいたい方はマンツーマン形式を選ぶと良いでしょう。
ピアノ教室を選ぶ際は、自分がどんな曲を弾きたいのかを決めておくとスムーズです。一口に音楽といってもクラシック、ジャズ、ポップス、演歌、映画音楽など様々なジャンルがあります。弾きたい曲のジャンルに対応できる講師が在籍しているか確認してください。趣味の範囲で楽しみたいのか、発表会などへの出場も考えているのかなど、ピアノ教室に通う目的も明確にしておきたいところです。
経験者におすすめの上級者向けピアノ教室
過去にピアノを習っていたことがあるなど、ある程度基礎が備わっている経験者には上級者向けコースが整っているピアノ教室がおすすめです。落ち着いた環境でみっちり指導を受けたい方はマンツーマンレッスン、ライバルたちと競い合いながら上手くなりたい方はグループレッスンを受講すると良いでしょう。
初心者向けコースから始めても問題ないですが、あまりにも初級すぎるとすでに知っている内容ばかりで物足りないと感じるかもしれません。ブランクが長くても、一度経験したことはしばらく続けているうちに自然と思い出します。あまり気にしすぎず、せっかくのお金と時間を無駄にしないように受講レベルを選択してみましょう。
教室によっては特定の教材は使用せず、やりたいことやレベルに合わせて柔軟にカリキュラムを組んでくれるところもあります。まずは体験レッスンで、それぞれのピアノ教室の雰囲気やレッスン内容を確認してみてください。
個人教室と大手教室 自分に合うのは?
ピアノ教室には、個人教室と大手教室があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いかを一概に決めることはできません。双方の特徴を理解した上で、自分に合うところを選ぶことが大切です。
個人教室のメリットとデメリット
個人教室は規模が小さい分、一人ひとりに対する丁寧な指導が期待できます。大手教室よりも月謝が低めに設定されているケースも多いので、利用しやすいのも嬉しいポイントです。ただし、スタジオを借りる際など月謝とは別で費用が生じる場合もあるため、申込時に必ず確認してください。
個人でピアノ教室を開く場合、ピアノ講師を名乗るのに特別な資格や実績などは求められません。従って、講師の質はピアノ教室によって大きなバラツキがあります。演奏技術が確かであることはもちろんですが、実績を積んでいるかどうかも確認しておきましょう。また、講師の指導力にも教室ごとで大きな差があります。素晴らしい演奏技術があるからといって、講師として人にピアノを教える能力が備わっているとは限りません。独りよがりの指導になっていないか、生徒さんの立場で考えてくれるかなど、講師との相性を見極めることが大切です。
なお、個人教室の中には発表会を開催しないスタンスを取っているところもあります。人前で演奏する機会が欲しいと考えている方は、この点も含めて教室を選ぶと良いでしょう。
大手教室のメリットとデメリット
大手教室は多数の生徒を抱えていることから、個人教室に比べると費用が割高になる傾向にあります。その代わりにカリキュラムが非常に充実しており、レベルに応じて様々なコースも選べるのが特徴です。レッスン以外の時間も練習室を借りられるなど、練習に集中できる環境も整っています。また、発表会などの規模も大きく、自分の実力を人前で披露する機会に恵まれているのも嬉しいポイントです。
ピアノ講師向けに独自の採用試験を課している教室も多いため、講師の演奏技術や指導力は一定の水準が保たれているといえるでしょう。ただし、講師の指名やマンツーマンレッスンは不可という教室もあります。一人ひとりに合わせたレッスンを希望する場合は、個人教室の方がきめ細かく指導してもらえるかもしれません。
また、大手教室はあらかじめカリキュラムが決まっているケースも多く、自分の演奏したい曲を練習させてもらえない可能性もあります。教材や練習曲などに柔軟性があるかどうかも確認しておきたいところです。
月謝やレッスン料金
月謝やレッスン料金は教室ごとで大きな差が見られます。個人教室は低め、大手教室は高めに設定されていることが多いようです。レッスン時間や回数、マンツーマンかグループかといったレッスン形式でも異なります。場所によっては、生徒さんのレベルや講師の質に応じた料金が設定されているところもあるようです。
月謝やレッスン料金以外に、追加費用が発生するケースがあることに注意が必要です。たとえば、入会金や教材費、施設利用費、事務手続き費、発表会参加費などが挙げられます。料金システムは後々トラブルに繋がりやすいため、詳細は公式ホームページなどで必ず確認しましょう。もし記載がない場合は電話で直接問い合わせるか、メールフォームなどを活用してください。
まずは体験レッスンへ行ってみよう!
気になるピアノ教室があったら、まずは体験レッスンに行ってみましょう。長く続けていけそうかどうかは、実際に見てみないと分からないことも多いからです。見学や体験レッスン時のポイントを解説しますので、参考にしてください。
見学や体験レッスンの予約方法
見学や体験レッスンの予約方法をご紹介します。WEB申込だと、思い立った時にいつでも予約を入れられるので便利です。まずは、気になったピアノ教室の公式ホームページを確認しましょう。名前、住所、電話番号、レッスンを希望する教室、希望日時、弾きたい楽器など、必要事項を入力します。申込時点での年齢やピアノレベルなどの入力が求められた場合は、フォームの内容に従ってください。
すぐにでも見学や体験レッスンをしたい時、フォームへの入力が面倒な時などは電話での予約申込を受け付けている教室もあります。受付終了時間間際の連絡を避けるなど、営業時間に配慮しましょう。見学、体験レッスンともに無料としている教室も多いですが、中には料金が発生するケースもあります。トラブルを防ぐためにも、行く前に必ず問い合わせてください。
確認すべきチェックポイント
見学や体験レッスンの際に確認すべきチェックポイントをご紹介します。どの要素が欠けてもモチベーションに大きく関わってくるので、しっかり覚えておきたいところです。
通いやすい距離にあるか
希望するピアノ教室が通いやすい距離にあるかどうかは非常に大切です。見学や体験レッスンに向かう際、ルートを確認しながら歩いてみてください。ピアノの上達には継続が欠かせません。「知り合いに会いたくないから」などと敢えて遠方の教室を選ぶ方もいますが、あまりにも遠いとやがて通うこと自体が苦痛になってしまいます。せっかく趣味として楽しむのですから、通うのに無理がない範囲にあるピアノ教室を選びましょう。通勤経路の途中、自宅や駅の近くなどがおすすめです。
講師との相性は良いか
講師との相性が良いかどうかは、その後のレッスンのモチベーションを大きく左右します。ピアノの技術や指導力はもちろんですが、質問しやすい雰囲気か、それに対してきちんと答えてくれるかといった点は要チェックです。また、講師の人柄にも注目する必要があります。生徒さんはピアノを習いに行っているので、できないことや分からないことがあるのは当然です。その気持ちに寄り添い、一つひとつ丁寧に指導してくれる講師は、人気も高い傾向にあるといえるでしょう。逆に、できない人を馬鹿にするような態度を取る講師には注意してください。
レベルに合ったレッスンをしてくれるか
レベルに合ったレッスンをしてくれるかも大切なポイントです。たとえば、ピアノがまったく初めての方がその場でいきなり曲を弾くのは難しいといわざるを得ません。逆に、ある程度ピアノの知識も技術もあるのに初歩からレッスンを受けていたのでは、物足りなさを感じてしまうでしょう。一人ひとりのレベルに合わせたコースやカリキュラムを組んでくれる教室を選びたいところです。
また、ピアノを始めるにあたり、弾きたいジャンルや練習したい曲があるという方も多いのではないでしょうか。ピアノ教室の中には、カリキュラムや教材があらかじめ決まっているケースもあります。いざレッスンを開始したら、自分のやりたいことを何もさせてもらえなかったという経験談も後を絶ちません。後悔しないためにも、弾きたいジャンルや曲でレッスンを受けられるのか確認をおすすめします。
振替レッスンができるか
振替レッスンができるかどうかも、忘れずに確認してください。月のレッスン回数は決まっている場合がほとんどですが、様々な都合で予定通りに受講できない日もあるかもしれません。そんな時、別の日で振替レッスンを受けられれば月謝を無駄にしなくて済みます。決まった曜日や時間で通うことが難しい方は、講師とその都度相談しながらレッスン日時を決めるスタイルの教室を選ぶのも一つの方法です。
練習できる設備やピアノが整っているか
練習できる設備やピアノが教室に整っているかもチェックしてください。レッスン以外でも、ちょっとした空き時間などに練習したい時に便利です。自宅での自主練は防音などに配慮する必要がある他、そもそもピアノがないという方もいます。もし教室の設備やピアノを借りて練習できれば、通う楽しみもより増すかもしれません。ただし、1人あたりの練習時間が決められていたり、追加料金が発生したりする場合もあります。教室ごとでシステムが異なるので、必ず確認してください。
まとめ
趣味として人気が高い大人のピアノ教室の選び方を解説しました。ピアノを弾くことには、脳の活性化やストレス解消など様々なうれしいメリットがあります。同じ趣味を持つ仲間ができれば、生活にハリが生まれて充実した毎日を過ごせるようになるでしょう。初心者はもちろんのこと、経験者も歓迎している教室は多いので、見学や体験レッスンを受けながら自分に合うところを見つけてください。