千葉県木更津市内で本格コーヒーを味わえる3店をご紹介します。同じ「コーヒー」を扱うお店なのに、それぞれ違う魅力のある名店ばかり。
コーヒーは日常のひと時を色鮮やかに彩ってくれる素敵なアイテム。店主が心を込めて入れた1杯には、そんな魔法がかかっていそうですよね。
散策の休憩に、日常を離れた空間旅行に、コーヒーをおともに出かけてみませんか。
公開 2023/11/12(最終更新 2023/12/26)

花
48歳で普通自動二輪免許を取得したへっぽこアラフィフ主婦ライダー。千葉は魅力的なライディングスポットがたくさん!取材と称してソロツーを楽しんでいます。【ブログ】https://ameblo.jp/ohana-hann/
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「THE COFFEE」コーヒー専門店×バリスタが生み出す特別な空間
「THE COFFEE」があるのは木更津駅東口から徒歩約2分の場所。

店内に一歩足を踏み入れると、そこには人が行きかう駅近通りとは思えない、非日常あふれる居心地の良い空間が広がっていました。
2020年12月にオープンしたTHE COFFEE。
こちらでは品質が厳しく管理されたトップスペシャルコーヒーの中でも、さらに農園や区画単位まで絞られた「シングルオリジン」と呼ばれるコーヒーが楽しめます。
THE COFFEE のこだわりは豆だけではありません。
「同じ豆を抽出しても、コーヒーの味わいは粉の量・細かさ・お湯の温度などで変わります。味に正解はありませんが、店舗では『バリスタがおいしい』と感じるコーヒーを提供しています。入れ手によって変わるコーヒーの個性をお楽しみください」
そう語るのは、日本スペシャルティコーヒー協会主催のJapan Brewers Cup2014/15で5位に入賞した経歴を持つ代表の近井 博規さん。
「どんなコーヒーを頼んだらいいかわからない」という方も大丈夫。近井さんやバリスタの岩沢さんが、お客さんの好みや味の希望を丁寧にヒアリングしてくれるんです。きっとあなただけの特別な1杯に出合うことができるはず。
人気はコーヒーとコーヒーに合うナッツやドライフルーツがセットになった「ペアリングセット」(1,100円)や、通常の半量を3種飲み比べできる「おまかせ3種セット」(1,500円)など。
またTHE COFFEE ではコーヒーの新たな可能性を広げるチャレンジとして、ほうじ茶ラテをエスプレッソで作った「ほうじ茶ラテ」や、コーヒー豆をお酒に漬けた後に焙煎することで、ノンアルコールでありながらお酒の風味をまとった「クロスローズシリーズ」コーヒーなども提供しています。
この日、すっきりとした飲み口が好みだと言う私のために岩沢さんが選んでくれたのは「THE ACID(ジ アシッド)」というブレンドのアイスコーヒー。
「ACID」とは「酸味」という意味。豆の上質な酸味を引き出すブレンドになっているのだとか。
「通常『味を安定させる』『クセをなくして飲みやすくする』ことを目的として行われる事が多いコーヒーのブレンドですが、THE COFFEE では『コーヒーの個性を際立たせる』ために行っているんです」と近井さん。
「THE ACID」をいただいてみると、フルーティーで華やかな酸味が口いっぱいに広がりました。クリアな味わいで、個性はあっても嫌なクセは全くありません。
「爽やかでとっても飲みやすいです!」と岩沢さんに伝えると「良かったです。その味がお気に召したなら、こちらはいかがですか?」と、次にTHE COFFEEが出店しているグランピング施設「エトワ木更津」でも提供している人気メニュー「房総ブレンド」のアイスラテを勧めてくださいました。

房総ブレンドはウイスキーで香り付けしたクロスローズシリーズ豆を使用。
口に含むとコーヒーの味わいでありながら、鼻の奥にブランデーの香りがふんわり抜けていきます。濃厚なミルク感で、味わったことのない大人のラテです。
コーヒーという同じ飲み物でありながら、全く異なる味わいが楽しめるのですね。
岩沢さん、こちらもとっても気に入りました!
「THE COFFEEの主人公はコーヒー。僕がコーヒーで受けた感動を皆さんにもお届けしたいですね」と近井さんは語ります。
上質なコーヒーを気負わず、自然体で楽しめる。THE COFFEEはそんな名店なのでした。

THE COFFEEの店舗詳細
住所/千葉県木更津市東中央1-4-7
営業時間/14時~21時30分(LO.21時)
休館日/火曜・水曜 ※2023年10月16日より月曜日も定休日
駐車場/なし。ただし
<一般>当日の合計金額が2,500円(税込)以上
<会員・コーヒーチケットを持っている>当日の合計金額が1,500円(税込)以上で「ラッキーパーキング木更津東中央第一」パーキングチケット1枚(90分)をサービス
アクセス/木更津駅東口駅から徒歩約2分
問い合わせ/0438-20-8769
X(旧Twitter)/@THECOFFEE2019
Instagram/@thecoffee2019
「ブラジル屋」25種類以上の自家焙煎コーヒー豆を扱う老舗カフェで至福の1杯
創業約50年の老舗コーヒー店「ブラジル屋」。
その歴史は1976年、先代(現ご主人朝倉さんのご両親)が木更津駅東口に自家焙煎のコーヒー豆販売専門店として開店させたことから始まりました。
駅前の再開発に伴い1987年に矢那川沿いの現在の場所に移転し、豆の販売の他にカフェの営業もスタートさせました。
カフェでは約24種類のコーヒーと、自家製スイーツを楽しむことができます。
こだわりは創業当時から毎日自家焙煎しているコーヒー豆と、店主の朝倉さんが入れる熟練のハンド・ドリップ。
先代譲りのコーヒー愛にあふれる朝倉さんは、現在も各地のコーヒーを飲み歩くなどの研究を欠かしません。
「コーヒーにもトレンドがあるんです。私の親の時代は深煎り中心でしたが、今は浅煎りが好まれていますね」
朝倉さんからそんなお話を聞くうちに、いつもは浅煎りを好む私ですが「どっしりめのコクのあるコーヒー」というのを体験したくなりました。
そんな私のオーダーに応え、朝倉さんが選んでくださったのは、深煎りの「マンデリン」。

初のどっしりタイプ体験。濃くて苦いコーヒーなのかな?
ドキドキしながら口に運んでみると…あれ、濃いけど苦くありません!
これが「コクのあるコーヒー」というものなのですね。酸味はほぼなくて飲みやすく、濃厚な自家製チーズケーキとの相性も抜群です。
「老舗と聞くと定番を提供すると思われがちですが、うちではわりと攻めたコーヒーも取りそろえていますよ」と、次に出してくださったのは「ヴィンテージ・バレル・ウイスキー」の水出しコーヒー。
バレルコーヒーとはお酒の使用済み樽にコーヒーの生豆を入れて、時々かき回しながら1カ月以上寝かせたもの。こうすることで樽の香りがコーヒー豆に移って新たな味わいをもたらせてくれるんだとか。
「ヴィンテージバレル・ウイスキー」はウイスキー樽の中に入れて発酵させたもので、他にもカサーシャ(ラム酒)や、ワインの樽で寝かせた種類もあります。
いただいてみると、水出しコーヒー特有の雑味のない味わいに、ウイスキーの香りが溶け込んでいます。まるで本当にウイスキーを飲んでいるような薫り高さですが、ノンアルコールなのでお酒が苦手な人でも安心。
今回はストレートでいただきましたが、ブラジル屋には炭酸を加えてハイボールのようにした「炭酸割り」や、窒素を加え、黒ビールのようにきめ細やかな泡をまとった「ナイトロ」などのメニューもあります。

「コーヒーは水とコーヒー豆のみで作るシンプルな飲み物です。それゆえ生産地や豆はもちろん、使う道具や湯を落とすタイミングでも味が変わってくるんですよ」
そう話す朝倉さんは自らコーヒー教室を開催するほか、市の公民館で行われるコーヒー教室の講師にも招かれるほどのスペシャリスト。

ブラジル屋ではHP上に、販売中の豆の情報や使っている器具、お店のレシピや入れ方のノウハウまで丁寧に解説しています。
「ご自分で入れる時はいろいろ試して、好みの味や方法を見つけるのも楽しいですよ。どの味も個性。失敗や間違いはないんです」と朝倉さん。

もちろんカフェでの注文時、朝倉さんに希望の味のコーヒーを相談するのもOK。
カフェでプロのコーヒーを味わい、家で自分好みのコーヒーを楽しむ。
そんな豊かでぜいたくな時間を提案してくれるのが、ブラジル屋流なのかもしれません。
ブラジル屋の店舗詳細
住所/千葉県木更津市文京3-1-10
営業時間/9時~19時 (18時30分LO)
定休日:水曜日 ※2023年1月より 水曜日に変わりました
駐車場/あり。ブラジル屋より東に約90m。風間建材の駐車場内に7台分
アクセス/JR木更津駅東口より徒歩13分
問い合わせ/0438-22-5433
X(旧Twitter)/@brazilyacoffee
Instagram/@brazilyacoffee
「M&C COFFEE STAND」センス溢れる店内で気軽にコーヒーを
スタイリッシュな雰囲気あふれるコーヒーショップ「M&C COFFEE STAND」は、木更津駅みなと口から徒歩5分の場所にあります。
店主は、市原市でアパレルファッションのショップを24年間経営していた木更津出身の宮森さん。
宮森さんは生まれ育った街に戻るのをきっかけに、好きなコーヒーのお店を開こうと、2019年「M&C COFFEE STAND」をオープンさせました。
店内のデザインは、インテリアデザインもしていた宮森さんが仕事で滞在したロンドンのバーをイメージして手がけました。
かつてウッドベースのミュージシャンとして活躍していたという宮森さん。多彩すぎる!
雰囲気の良い店内でいただけるのは、自家焙煎のスペシャリティコーヒー。何と450円からというリーズナブルな値段でいただけるんです!

宮森さんは「僕はコーヒーが好きないわば素人。なので堅苦しいことは言わず、自分がおいしいと思う豆と入れ方でコーヒーを楽しんでいただきたいんです」と話します。
おいしいコーヒーの秘密の一つは新鮮な挽きたての豆。手間を惜しまずその週使う豆だけを自家焙煎しています。
使用する豆にもこだわりがあるそうで、「うちのコーヒーは、酸味は控えめで焙煎は深め。
僕の好みだからなんですが、味には自信があります。『ここで初めてブラックを味わえるようになった』というお客様もいらっしゃいますよ」とのこと。
今回はお店を代表するオリジナルテクニカルブレンド(450円)をいただきました。
酸味はほぼなく、深いコクとかすかな苦みが感じられます。すっきりした後味で、確かにコーヒーが苦手な人でもブラックでおいしくいただけそう。
長年コーヒーを愛飲してきた宮森さんならではのこだわりが詰まった1杯です。
お店のもう一つの特徴は、スイーツやフードが充実していること。コーヒーとの相性を重視したというメニューをそろえたのだとか。

どら焼きの生地とあんにコーヒーを練りこんだ「あんこおじさん」は、あんこ好きの宮森さんのあだ名からつけられたのだそう。「あんこおじさん」「あんこおばさん」は10月~6月、「み玉おじさん」「はらぐろおばさん」は7月~9月限定で提供しています。
平日は木更津の和食店「なべや」の料理を提供。
第2土曜・日曜日は店舗前でハンバーガーショップ「Queen’s Burger」がキッチンカーを出店。月替わりのハンバーガーを販売しています。
また月に一度、M&C Coffee Stand店内に出店する「Y‘s CURRY」のスパイスカレーは、あっという間に完売するほどの人気なんだとか!
実はおしゃれな外観から入店するのに緊張していたんです、と伝えると「緊張なんてしないで気軽に来てください!うちは長居も大歓迎ですよ」と宮森さん。聞けばお店は若い方から80代の方まで、幅広い方が利用されているそう。取材日には地元の奥さまがおひとり様で訪れていました。
またお店ではアパレルブランドのポップアップストアなどのイベントを定期開催しています。出店情報はインスタグラムで随時発信しているとのこと。
明るく気さくな店主の「好き」と「こだわり」が詰まった「M&C COFFEE STAND」。コーヒーとともに元気をチャージしたい時に訪れたいお店です。
M&C COFFEE STANDの店舗詳細
住所/千葉県木更津市中央2-6-2
営業時間/11時~20時00分(LO.19時30分)※月曜日のみ13時~20時30分
休館日/木曜
駐車場/あり 道路を挟んだ向かい側 中央第一パーキングに4台
アクセス/木更津駅みなと口から徒歩約5分
問い合わせ/0438-55-6043
Instagram/@mandc_coffee_stand.2019