流山北小学校で県内初の「断熱ワークショップ」を監修した竹内昌義さん。昨年10月5日に、「白井再生可能エネルギー協議会」開催のフォーラムで「断熱」の大切さを熱く語りました。

公開 2025/02/28(最終更新 2025/02/26)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。

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窓から始める断熱で、健康で快適な生活を

「断熱男(だんねつお)」と呼ばれる断熱の第一人者・竹内さんによると、「脱炭素化政策が欧米などに比べ遅れている日本も、断熱されていない建物の改修を進めれば、無駄なエネルギー消費を削減でき、Co2排出も抑制できる。しかも住環境も快適になる」とのこと。

改修に特に重要なのは、建築の開口部。

日本でいまだ主流のアルミサッシ窓を、熱伝導率が1000分の1の「樹脂サッシ」に替えれば、夏の暑さや冬の寒さの室内への出入りを遮断し、冬に多い結露でカビが出てアレルギー疾患につながるような問題も解消。

「断熱」で実現する暮らしやすい家とは?健康や家計に優しく脱酸素化にも貢献
サッシ内部が多層構造の「樹脂サッシ」(提供/樹脂サッシ工業会)

さらに健康と脱炭素化の後押しになるそうです。

政府もここ数年やっと家の断熱に本腰を入れ、規制の甘かった基準を引き上げ、今年4月からは、数年前までは日本の最高基準だった断熱レベル4を全国の新築住宅に義務化。

さらに2030年には、ZEH(ゼッチ)(太陽光パネルなどエネルギー創出と断熱でエネルギー収支がゼロ)の家へと、急ピッチに日本の家の変革が進められるようです。

「断熱」で実現する暮らしやすい家とは?健康や家計に優しく脱酸素化にも貢献
ホームセンターで販売の「簡易内窓」(協力/カインズ 千葉ニュータウン店)

さらに重要な既存の建物への断熱対策

「ただ、新築住宅の変化だけでは2050年の脱炭素化達成は困難。既存の建物への断熱こそ重要」と訴える竹内さん。

エアコンが入っても夏暑く冬寒い住宅や学校、公共施設の窓には予算問題もあり、既存の窓に内窓を付ける「二重窓」、壁や天井、床の断熱材補強改修を推奨。

「断熱」で実現する暮らしやすい家とは?健康や家計に優しく脱酸素化にも貢献
既存の窓に内窓を付けた「二重窓」 (提供/樹脂サッシ工業会)

ワークショップや講演で全国を駆け巡り普及活動を展開中です。

講演では、ホームセンターや通販サイトなどでも購入可能な、自分で設置可能な二重窓キットやツインポリカ、手軽なハニカム状の断熱ブラインドなども紹介。

「まずは、お財布にも健康にも良い断熱で。脱炭素実現を!」と呼びかけていました。

冷暖房の温度調整による「我慢の省エネ」から、積極的に断熱して「エネルギーを使わず快適に過ごせる生活」へ。

できることから断熱に踏み出してみませんか。