2012年以降に現役復帰した3基の丸型ポストがある白井市。その内の一つ「そろばん博物館」前に立つポストは、LETTERの文字が入った、現役では3基しかない珍しいポストです。
公開 2025/05/07(最終更新 2025/04/28)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ郵便差出箱1号(丸型)のための試作品
戦時中に被災や鉄の供出でコンクリート製に代替された郵便ポスト。
終戦で物資の入手が可能になり新しいポストの試作が始まり、このポストはその試作品の一つ。
製造数も少なく、現役で残るのは、長野県と香川県と白井市の3基のみです。
1949年から全国に普及したポストはPOSTの文字入りだったので、LETTERの文字の珍しさから「レターポスト」と呼ばれ、丸型ポストファンがよく訪れるそうです。
そもそも、丸型ポスト自体が1970年には、大型郵便が入れられ集配にも便利な角型ポストに道を譲り、数が減少。
現在残るのは4千基弱です。
ただ、希少性と親しみやすいその姿から、地域おこしに活用される動きが各地に広がっています。
白井市内の3基の丸型ポストも、東日本大震災で破損した旭市の丸型ポスト修復から活動を始めた郵便局員・若林さんと小沼さんに、丸型ポストの写真家・庄司さんが加わった3人が、白井郵便局長になった若林さんの縁で白井の地域おこしにと現役復帰させたものです。
支える人がいて今がある丸型ポスト物語
1993年までは長野県の広津郵便局前にあったこのレターポスト。

廃棄処分前に家で保管していた元郵便局長の腰原さんの「活用してほしい」との希望を伝え聞いた庄司さんが、自宅がある名古屋から長野に様子を見に行き、その日に白井郵便局での引き受けが決まり、車で白井郵便局まで運んできたそうです。

破損部分は、丸型ポストを以前製造した埼玉県川口市の鋳物工場の協力で修復され、設置場所も、「白井市の地域おこしになる」とのそろばん博物館の石戸館長の快諾で決定。

きれいに塗装が施され、2013年4月から現役復帰しました。


きれいな庇や丁寧な塗装跡、台座に並んだそろばん珠などから、ポストに再び命を与えた人たちの優しい手のぬくもりが伝わってきます。
