子どもたちが会社をつくり、事業の企画・提案、経理や納税を体験する「西千葉子ども企業塾」。2025年度の様子を取材しました。

公開 2025/10/25(最終更新 2025/10/22)

LEE

LEE

ライター&編集者。住民になって3年目、千葉や松戸について勉強中。過去に中華圏に住んでいたことがあり、アジア料理をはじめ食に関することが大好きです。趣味は写真、料理、手作り、旅行。

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子どもたちに起業家精神を

「西千葉子ども起業塾」は、千葉大学教育学部・藤川大祐研究室が中心となり、SeedlingsofChibaが主催するプロジェクトで、2010年から毎年開催されています。対象は小学4年生から中学3年生。4日間のプログラムを通して、子どもたちが会社や経済の仕組みを学び、起業家精神やチャレンジ精神を育むことを目的としています。

2025年度は子どもたちが事業を企画・提案する取引先としてJFEスチール株式会社に協力いただき、食の力で地域と同社をつなげるビジネスに挑戦しました。

資金調達、商談や商品開発で大忙し

プログラムの1日目。子どもたちは税金や資金の流れなどの経済の仕組みを学びながら4つの会社を設立しました。社名やメンバーの役職なども話し合って決定します。

子どもたちはJFEスチールのPRのため、同社の特徴を生かしたお菓子やパンの開発をするという依頼を受けました。その後、同社の東日本製鉄所千葉地区の工場を見学し、鉄が作られる高熱の現場を肌で感じながら、お菓子やパンに反映できる特徴を探しました。

西千葉子ども起業塾
千葉大学の学生が子どもたちをサポートします

2日目は、どんな商品が求められているかをJFEスチールの方にヒアリングしつつ、どんな商品を作るかの作戦会議です。パン屋さんやお菓子屋さんに相談しながら、原価や価格も含めて商品の詳細を決めていきました。

ある会社は、工場で見た鉄の塊が薄くのばされていき、ロール状に形成される様子をヒントにベーコンロールパンを企画。紙粘土で商品のサンプルを作成する会社もありました。また、銀行に融資を依頼して、資金の調達をするのも大切なプロセスです。

子どもたちのアイデアが形に!

3日目から後半戦がスタート。何度もJFEスチールやパン屋さんやお菓子屋さんとの商談を重ね、商品の最終案を決めました。プログラム最終日は、ついに子どもたちが考えたお菓子やパンが実際に試作品として登場! みんな自分たちのアイデアが形になった食品をうれしそうに試食していました。

入念な打ち合わせの結果、形になったベーコンロール

試作品を携えてJFEスチールに最終プレゼンテーションを行った4社には評価に応じた報酬がそれぞれ与えられました。その報酬から借りたお金や使ったお金、給料などを引いたものが各社の利益となります。法人税や消費税、所得税も納税。協力しながら計算をし、赤字にならなかったか確認します。

取引先と打ち合わせしながら商品の企画をし、その商品を売るときのお金の流れを体験するという得がたい体験をした子どもたち。この経験が彼らの将来のどこかできっと生きることでしょう。

ちばアントレプレナーシップ 教育コンソーシアム
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