公開 2025/12/08（最終更新 2025/12/03）

プラントの主治医として京葉臨海コンビナートの安全・安定操業をサポート

高度経済成長期のプラントの建設ラッシュ時に、先代社長が創業。当時から「今後はメンテナンスの時代が来る」と予想し、小さなメンテナンスの依頼も断らずに実績を積み重ねてきた結果、建設ラッシュが終了し、プラントの老朽化が進むにつれてメンテナンスの需要が増大してきました。各種プラントの設計から建設、メンテナンスまでトータルに対応できる企業として、厚い信頼と高い評価を得ています。

業績好調につき第二工場を新設

2020年に建設された第二工場は、広大な空間と充実の設備で、熱交換器などの大型設備への対応が可能になりました。熱交換器のリチュービングはツルヤマテクノスの得意とするところで、年間4～5万本のチューブ交換を行っています。石油精製では、原油を分離させる過程のあちこちで熱交換器が使われています。熱交換器内のチューブが劣化すると交換することになりますが、熱交換器は大きさも構造も様々なため、経験と高度なスキルが要求されます。

会社概要

ツルヤマテクノス株式会社

代表取締役社長　鶴山 孝行
所在地／千葉県市原市青柳北2-3-1
電話番号／0436-21-6522
従業員数／83名
資本金／3,200万円
設立／1969年3月
ホームページ／http://www.tsuruyama-tec.co.jp/

【インタビュー】現場で得た経験とスキルがキャリアに生きる 代表取締役 鶴山 孝行さん

京葉臨海コンビナートの主治医を自認

千葉県市原市の西端、東京湾に面した沿岸部に位置する京葉臨海コンビナートには、石油精製をはじめとした大型工場が並んでいます。当社は昔からこれら多くの大企業の工場運営に深く関わってきました。機械や装置類の日常のメンテナンスや、故障の際の修理など、幅広く対応しています。コンビナートでは24時間休みなく操業している工場も多く、突発的な故障や事故も起こります。そういった際は駆けつけて原因を特定し、修復します。日頃の健康管理はもちろん、急病やケガの際も迅速に対応する主治医のようなものだと思ってください。

東日本大震災ではタイから借りた発電機を組み立てる

2011年3月11日、東日本大震災により福島第一原子力発電所で事故が起き、電力不足が懸念されました。その際、タイから無償で貸与された非常時用ガスタービン発電機2基の排気消音ダクトの組み立てを当社が行い、これによって約24万世帯に電気が行きわたりました。私がタイに飛んで装置の分解に立ち会い、船で横浜港まで運んできた設備を組み立てたのです。京葉臨海コンビナートの被害も大きく、球形タンクが倒れたことで他のタンクに引火し爆発が起こり、10日間燃え続けました。恐ろしい光景でしたよ。この復旧工事にも関わり、石油精製のための機械や装置類に問題がないかという確認や周辺の配管、機器の開放点検などの工事全般を担当しました。

現場監督や品質管理といった仕事も基礎は現場での経験

新入社員の皆さんには、施工管理や現場監督、品質管理といった分野で活躍していただきたいと思っています。ただ、そういった仕事をするためには現場での経験が欠かせないというのが私の考えです。初めの1年間は全員工場や現場に出て、経験を積んでもらっています。溶接や配管工事といった現場での仕事を経験することが、その後に見積もりを作ったり、工事の時間を予測して工程表を作ったりすることに生きてきますし、作業員の気持ちも分かります。仕事を進める上では多くの人が関わってくるので、人と人とのコミュニケーションを大切にできて、物づくりに興味がある人に来ていただきたいですね。

地域の発展に貢献しています

地元である市原市を盛り上げ、これからも住み続けたい街にするために地域への貢献も積極的に行っています。地元神社へ大鳥居の奉納、地元市原の花火大会のサポート、恵まれない子どもたちへの寄付活動、日本生まれのぞうの繁殖にチャレンジしている地元の動物園への支援も継続しています。地元市原のサッカーチーム「VONDS市原」、バスケットボールの「千葉ジェッツふなばし」などスポーツチームへのサポートも。地域経済への影響力が大きく、今後の地域経済を引っ張っていく成長性が見込まれる事業として2018年に経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定され、2020年には同じく経済産業省より「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれました。

ツルヤマテクノスで働く人たち

品質管理の仕事は全体を見ることが大切

市原市で育ったので、地元に根づいた活動で当社のことは昔から知っていました。私は高校を卒業後入社したのですが、周囲の人に就職について相談したときに当社を勧められ、興味を持って説明会に参加し、入社したという流れです。

作業員として入社し、2024年7月から事務所の品質管理部で働いています。作業員として経験を積んだことが今の仕事にも生きていて、例えば具体的にどのように製品を作ったりメンテナンスしたりするのかを知らないと、その商品の品質を保つ方法を考えることは難しいのではないかと思います。

経験を積み、自分の実力が上がっていくと任せていただける仕事の幅も広がりますし、現場の作業員に頼ってもらえたり、お客様に「助かりました」という声をいただけたりするときが、今の仕事をしていてやりがいを感じる瞬間ですね。

建設業というとなかなか具体的なイメージがつかない部分があると思いますが、自分が生活する上で実は恩恵を受けている、プラントなどの大規模な物を大人数で作るということを突き詰めるという当社の仕事は、物づくりが好きな人にとっては面白いのではないかと思います。1万円の部品製作から1億円以上の装置製作まで様々な案件を手がけるため、変化に富んだ経験ができます。

九鬼さんのキャリアパス

入社1年目… 現場で作業員として働く
　　　　　 各種プラント内で必要となる製品や、各種圧力容器、配管、消音器、 熱交換器の製作やメンテナンスを行う。
　　　　　　
入社9年目… 品質管理部門に異動
　　　　　 作業員時代に培った経験を生かして、各種部品や製品の品質管理を行う。

難しいプロジェクトが成功したときの達成感は格別

大学で電気系工学を専攻していて、現場監督という仕事に興味を持ちました。物づくりも好きでしたし、当社のスケールが大きな仕事の内容に興味を持ち、入社を決めました。入社して作業員として仕事をスタートしてみると、想像とは違って作業内容が全然分からず、失敗を重ねたり、周囲に教えてもらったりしながら、少しずつ仕事を習得してきたという感じです。工場内の機器の名称も分からず、そこからのスタートでした。

2年目から現場監督として仕事をしています。各プロジェクトごとに納期もプロセスも製品の製造方法も違うので、「製品をどうやって作るのか」「どんな材料が必要で値段はいくらで、その納期はどのぐらいなのか」「何名の作業員が必要で、どれぐらいの期間がかかるのか」など、確認することが多く大変ではありますが、その分全てがコントロールできたときは、パズルのピースがカチッとハマったような達成感があり、やり切ったという気持ちになりますね。

物づくりの世界は奥が深く理解が難しいですが、その分やりがいがあり、日々新しい経験ができているという実感があります。まだまだ足りない部分もあるので日々経験を積み、ゆくゆくは部長を目指したいと思っています。

私は栃木県出身で、社宅があるためしばらくは社宅に住んでいました。同じく他県から引っ越してきた社員も多くいます。先輩社員とのOJTで教育体制もしっかりしていて、現場での物づくりやパソコン操作などの基本的なところからしっかりと教えてもらえます。物づくりや現場監督という仕事に関心がある方は、当社に興味を持っていただけたらうれしいです。

コンビナートに欠かせない存在です

石油精製プラントや各種化学プラントの設計や建設、メンテナンスまでトータルに対応しており、1967年の創業以来、京葉臨海コンビナートの安全・安定操業を支えてきました。プラントの熱交換器のチューブを交換するリチュービング事業では、京葉臨海コンビナートはもちろん、鹿島、京浜、関西、東海、中国地方、四国、九州など全国各地から依頼を受けています。多様なニーズに応えるため2020年に新設した第二工場では、熱交換器やコンルーフタンクなどの大型設備へのスピーディーな対応が可能になりました。

日本の防衛に大きく貢献しています

大型設備への対応が可能な工場や確かな技術を見込まれ、自衛隊の護衛艦の消音設備の工事を担当。護衛艦を動かしているのは4基のガスタービンエンジンですが、その大きな音を和らげるためにエンジンから延びる排気管に消音設備をつけています。スペースの限られた艦内では管の形が複雑になるため、ステンレスを折り曲げて形を作り、溶接して消音設備を製作しました。また、ジェット機エンジンのテスト用消音装置などの製作や組み立て工事も行っており、日本の防衛力維持に貢献しています。

働きやすい職場環境です

「人数的には中小企業でも、福利厚生と社会貢献は大企業並みに」というのが当社の方針です。本社の3階から上は社員のための施設で、休憩所にはシャワールームや洗濯設備、仮眠室、喫煙ルームなどを完備。屋上にはゴルフ練習場が設置されています。他県出身の社員が住むことができる社宅や住宅補助、残業時間の削減や有給休暇の取得、年間休日125日など、働く環境も整っています。年に一度の社員旅行も好評で、社員同士の結束が強まる貴重な機会となっています。