江上越(えがみ えつ)さんは、1994年千葉県生まれ。2021年「FORBES ASIA 世界を変える30歳以下の30人」に、最年少アーティストとして選出されました。
公開 2025/12/22(最終更新 2025/12/12)
世界が注目する若手アーティスト
20年、VOCA展に出展し、21年文化庁より新進芸術家としてニューヨークに派遣。
23年、BEST ARTIST PRIZEを受賞しました。

また、「アジア太平洋U30優秀若手リーダー2024」に羽生結弦さん、大坂なおみさんと共に選ばれ、DIORに作品が収蔵されています。
さらに、今年ドイツのアートフェア「Art Karlsruhe(アート・カールスルーエ)」で最優秀賞を受賞しました。
江上さんは、「言葉による誤解や行き違いは、否定ではなく理解のきっかけになると思う」と語ります。
作品は油彩を中心に、書や映像、インスタレーションなどを組み合わせ、「言葉や文化のずれ」など、コミュニケーションの本質をテーマに制作。
日本にルーツを持ちながら、さまざまな場所で育んだ感性が今の時代にふさわしい「対話のかたち」を描き出しています。


芸術で心を癒やすアートセラピー
その一方で、杏林大学医学部の客員教授としても活動しています。
ドイツ留学中に江上さんが出合ったのが、「アートセラピー」と呼ばれる療法でした。
ドイツではメンタルケアのためにアートを取り入れることが一般的になっているそうです。
日本ではまだあまりなじみがありませんが、客員教授として「アートセラピー」を大学病院での外来診療に導入しています。
うつ病や、医学的な治療だけでは癒やせない病を抱える人たちの心を、アートを通じてケアしているのです。


(取材・執筆/案山子)