入居開始から50年を迎えた村上団地。古めかしくも親しみ深いこの集合住宅群を起点とし、新たなまちづくりの輪が広がっています。
公開 2026/03/03(最終更新 2026/02/20)
活気ある風景を再び私たちの町に
団地内商店街で、半世紀にわたって人々に親しまれているお店「モンテヤマザキ」。
在住外国人をはじめ地域住民が輸入食材などを買い求め、憩いの場として交流が生き続ける場所です。
それは、外国籍住民と異文化、その出会いと共生の歴史を歩んできた村上の一面を象徴しています。


かつて子どもの声と笑顔があふれていた村上団地は、暮らしに根差す多世代コミュニティーがおのずと育まれていました。
それが近年では居住者の高齢化と人口減少、建物の老朽化が進み、団地を所有・管理するUR都市機構が再生事業として、一部住居の解体と高層棟2棟の売却を決定します。
これを受け、団地を含む地域全体の将来像を案じる住民らの声が拡大。
地域の事業者や教職員、行政、UR都市機構を交えて定期的な意見交換が始まり、「村上みらいプロジェクト」は発足しました。

課題も抱えながら共に歩んだ日々
この地域に外国人が多く暮らす背景には、近隣の工業団地で働く人材の受け入れがあります。
1990年代は主に南米から、その後、中国やベトナムといったアジア系労働者や学生も増加し、宗教や文化、食習慣の違いに直面した地域社会。
異文化に触れ、外国人と向き合い、不安や喜びがない交ぜになる日々の歩みが平坦であったはずがありません。
しかし「その経験こそが、地域の強さであり未来への力」と、同プロジェクトのリーダー・西村誠之輔さんは力強く語ります。

西村さんが先頭に立って働きかけた日本語学校の誘致も実現し、2024年秋の開校以来、ネパールやスリランカなどからの留学生65人が勉学に励みながら、地域とのつながりを育んでいます。

多文化が共生する持続可能な地域へ
留学生が住民に郷土料理を振る舞ったり、地域の高校生と交流したり。
夏祭りでは、自国の踊りや歌を披露する若者たちに温かい拍手が送られました。


外国籍住民を受け入れ、共生を通じて地域活性を図る。
そんな新たな多文化共生社会の青写真を描きながら、プロジェクトでは次々とアイデアを打ち出しています。
団地内商店街の再興や、地元の学校との温かい関係づくり、農体験を通じた雇用創出。
国籍も世代も超えて心を通わせる、活気あるまちづくりが続いていきます。