入居開始から50年を迎えた村上団地。古めかしくも親しみ深いこの集合住宅群を起点とし、新たなまちづくりの輪が広がっています。

公開 2026/03/03(最終更新 2026/02/20)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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活気ある風景を再び私たちの町に

団地内商店街で、半世紀にわたって人々に親しまれているお店「モンテヤマザキ」。

在住外国人をはじめ地域住民が輸入食材などを買い求め、憩いの場として交流が生き続ける場所です。

それは、外国籍住民と異文化、その出会いと共生の歴史を歩んできた村上の一面を象徴しています。

村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
輸入食材や生活雑貨を扱う「モンテヤマザキ」。ボリュームたっぷりのハンバーガーは、知る人ぞ知る人気商品とか
村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
モンテヤマザキ店内

かつて子どもの声と笑顔があふれていた村上団地は、暮らしに根差す多世代コミュニティーがおのずと育まれていました。

それが近年では居住者の高齢化と人口減少、建物の老朽化が進み、団地を所有・管理するUR都市機構が再生事業として、一部住居の解体と高層棟2棟の売却を決定します。

これを受け、団地を含む地域全体の将来像を案じる住民らの声が拡大。

地域の事業者や教職員、行政、UR都市機構を交えて定期的な意見交換が始まり、「村上みらいプロジェクト」は発足しました。

村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
11階建て高層棟をコンバージョン(用途変更)し、1~3階を教室や図書室などに、4階以上を学生寮として活用した日本語学校。長い間、住民の暮らしを守ってきた建物が、希望と可能性を内包する学び舎として生まれ変わったのです

課題も抱えながら共に歩んだ日々

この地域に外国人が多く暮らす背景には、近隣の工業団地で働く人材の受け入れがあります。

1990年代は主に南米から、その後、中国やベトナムといったアジア系労働者や学生も増加し、宗教や文化、食習慣の違いに直面した地域社会。

異文化に触れ、外国人と向き合い、不安や喜びがない交ぜになる日々の歩みが平坦であったはずがありません。

しかし「その経験こそが、地域の強さであり未来への力」と、同プロジェクトのリーダー・西村誠之輔さんは力強く語ります。

村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
村上団地にある明青幼稚園の園長で、村上みらいプロジェクトリーダーの西村誠之輔さん

西村さんが先頭に立って働きかけた日本語学校の誘致も実現し、2024年秋の開校以来、ネパールやスリランカなどからの留学生65人が勉学に励みながら、地域とのつながりを育んでいます。

村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
理知の杜日本語学校での授業の様子

多文化が共生する持続可能な地域へ

留学生が住民に郷土料理を振る舞ったり、地域の高校生と交流したり。

夏祭りでは、自国の踊りや歌を披露する若者たちに温かい拍手が送られました。

村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
「第44回むらかみ夏まつり2025」では、盆踊りの輪にも加わった留学生たち。笑顔が広がりました
村上みらいプロジェクト 地域の明日を描き、奔走する人々の物語
和やかな雰囲気の交流イベントの様子。住民からは「孫みたいでかわいい」との声も

外国籍住民を受け入れ、共生を通じて地域活性を図る。

そんな新たな多文化共生社会の青写真を描きながら、プロジェクトでは次々とアイデアを打ち出しています。

団地内商店街の再興や、地元の学校との温かい関係づくり、農体験を通じた雇用創出。

国籍も世代も超えて心を通わせる、活気あるまちづくりが続いていきます。