いろいろな職種で、人材不足解消と業務負担軽減のためAI活用が進んでいます。一方、生成AIには向かない業務もあります。デイサービスの現場を取材しました。
教えてくれたのは…

| 野口貴功(たかよし)さん |
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| 株式会社オアシス代表取締役 |
公開 2026/03/04(最終更新 2026/02/27)
共感や癒やしは「人」特有のもの

現場によっては、人手不足解消やスタッフの労務軽減のため、配膳ロボットや介護ロボットが活躍している施設もあるかもしれません。
しかし、介護で最も大事なことはスタッフと利用者さんのコミュニケーション、人と人との感情の交流だと考えています。
利用者さんは、一人暮らしをしている方もいるので、とにかく「話すこと」が大切。
スタッフや、利用者さん同士で話すことが、週に1回の楽しみになっている人も。
話すことは、機能訓練としても大事ですし、孤独や不安を相談する場にもなります。
対話型ロボットと話しても、人間のような答えを返してくることに対して一時的な驚きはあるかもしれませんが、共感や癒やしにはつながりにくいと思います。
「人」を介せば訓練も楽しいものに

以前、カラオケのマシンでリハビリの体操や口の体操の動画を流し、利用者さんにやってもらったのですが、盛り上がらずやめました。
口の体操ではそしゃくや滑舌を促し、脳トレのようなこともしながら認知症予防も兼ねています。
体操では、足腰、頭や首の部分も動かします。
そんな時、映像や介護ロボットがお手本だと、利用者さんは「体操をただやる」ことになってしまいがちですが、生身の人間だと、よりきめ細かな対応が可能。
たとえば、利用者さんの一人一人の苦手な部分やその日の状態に合わせて「足の位置を変えればできる」など、体操の仕方を変えることができます。
介護は究極のサービス業

介護は究極のサービス業だと思うのです。
いかに利用者さんに楽しんでもらうか、笑顔になってもらえるかが大切。
人間による介護が全てロボットに置き換わってしまうと、ケアがただの作業になり、笑顔も減ってしまうと思うのです。