もしも歯がなくなってしまったら…。食べる楽しさを取り戻すためにも、自分に合った入れ歯をきちんと選ぶことが肝心です。

教えてくれたのは…

葉山歯科 院長 寺山功さん(左) 歯科技工士 須賀靖記(やすのり)さん

公開 2026/04/29(最終更新 2026/04/28)

編集部

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千葉・埼玉県在住の編集メンバーが、地域に密着して取材・執筆・編集しています。明日が楽しくなる“千葉・茨城情報”をお届けします!!

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知っておこう 入れ歯のメリット

歯や歯周病などが原因で歯がなくなった際の代表的な治療の選択肢として、インプラント、ブリッジ、入れ歯の三つが挙げられます。一般的に「自分の歯と同じようにかめる」といわれているのが、インプラントとブリッジ。

ですが、インプラントは安定している半面、汚れがたまりやすく、フロスなどのメンテナンスを怠ると歯周病の原因になることがあります。また、ブリッジは、健康な歯を削る必要があるため、歯の寿命を縮めてしまう恐れも。一方で入れ歯は、取り外しができるためお手入れがしやすく、比較的口腔(こうくう)内を清潔に保つことができます。

施術条件にも違いがあります。インプラントは人工歯根を埋め込むため、ある程度あごの骨がしっかりしていないと施術ができません。両隣の歯を土台にするブリッジは、両隣の歯が健康であることが条件。対して、制限がほとんどない入れ歯は、おおむねどんな人でも作れる点もメリットといえるでしょう。

入れ歯作製のプロ歯科技工士を頼る

「うまくかめない」「違和感がある」「ガタガタして痛い」といった入れ歯特有のお悩みは、自分に合った製品を選ぶことで解消できます。総入れ歯、部分入れ歯ともに、大きく分けて保険義歯とオーダーメード品があります。

いずれも型取りをしてかみ合わせを確認し、最終調整をするのが流れ。保険義歯と比べてオーダーメード品は自由診療に当たるので、数万〜数十万円と高額ですが、薄くて丈夫な素材を用いるなど、機能性が高いのが特徴です。

患者さん一人一人、あごの大きさもかむ力も異なるもの。オーダーメード品であればよりフィットした製品を作ることが可能です。クリニックを選ぶ際は、入れ歯製作を専門としている歯科技工士と提携しているかもポイント。装着した時の感覚や、笑った時の歯の見え方など、細かい要望に合わせ、歯科技工士が丁寧に調整してくれるケースもあります。

加えて、どんな入れ歯も使っているうちに摩耗するため、「痛い」などの自覚症状がなくてもメンテナンスのために半年に一度の受診も欠かせません。そういう意味でも、気軽に相談でき、信頼できるクリニックを選ぶのも大切です。

保険義歯とオーダーメード品の違い

プラスチックを用いる保険義歯は、強度を保つために厚みが必要(写真左半分)。比べて薄い金属を使うオーダーメード品は、違和感が少なく熱伝導に優れるため、食事の楽しさが損なわれにくい特徴があります。

入れ歯作製の流れ

保険義歯もオーダーメード品も基本的な流れは同じ。どちらも手元に届くまで数カ月かかります。

【1】カウンセリング・検査
【2】型取り
【3】かみ合わせの確認、記録
【4】仮合わせ
【5】完成・装着
【6】調整・メンテナンス

完成後は調整しながら、使用感に慣れていきます。

合わない入れ歯は健康にも影響が

合わない入れ歯を使い続けると、バランスの悪いかみ癖が付き、顎関節に影響が出ます。さらに、かみ応えのある食べ物を避けるようになるため、咀嚼(そしゃく)する力はどんどん低下します。

特に、肉類を避けることでたんぱく質が不足し、全身の筋肉が衰える「フレイル(虚弱)」状態に陥る場合も。認知症リスクも高まります。

「かめる」は「食べる喜び」に直結します。適切な入れ歯を選ぶことで、食べたいものをおいしく食べられるようになり、いきいきとしたシニアライフにつながるでしょう。