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鎌ケ谷生まれ、鎌ケ谷育ちの竹細工作家 江口信男さん

江口信男さん
▲バランストンボを手にする江口信男さん

51歳、リストラで早期退職。

趣味の釣りで訪れた勝浦の朝市で、竹細工のバッタに魅せられ弟子入り。

「珍竹林おじさん」こと江口信男さんのドラマチックな人生を取材した。

「珍竹林おじさん」と
作品へのこだわり

ちんちくりん。

一度聞いたら忘れられない。

由来を尋ねると「前へならえ」と言って腰に両手を当てた。

最前列が中学卒業までの江口さんの定位置。

面白い名前に反して作品は実にリアル。

玄関前の作品
▲工房の玄関に飾られた作品たち

孟宗竹を筆頭に真竹、黒竹と素材はすべて竹。

100年以上古民家のいろりでいぶされた高価なすす竹を使うこともある。

バッタ
▲記念すべき第一作はバッタ

バッタ正面
▲正面から見たところ

竹の持ち味を生かすのが江口作品の特徴。

細い枝をコテで曲げて足に。

チョウの羽には竹の皮を貼る。

彩色はしない。

だからきらきらしたカナブンやタマムシは作らない。

また、基本的に目は付けない。

見る人のイメージで作品を見てほしいからだ。

歴代作品で最小はダンゴムシ、最大はオオカマキリ。

ダンゴムシ
▲ダンゴムシ

ダンゴムシ2
▲手のひらに載せたところ

オトシブミなる不思議な名前の虫も。

「ロマンチックな由来があるんですよ」。

この虫は葉に卵を産み、きれいに畳んで切り落とす。

それが昔の恋文の落文と似ていることから名付けられたという。

オトシブミ
▲ロマンチックな由来を持つオトシブミ

展示会では作品の販売も。

一番人気はトンボ形やじろべえのバランストンボ。

作業机に置かれたバランストンボ
▲作業机に置かれたバランストンボ

バランストンボ
▲竹の上に立たせてみた

前進あるのみのトンボは勝ち虫と呼ばれる縁起物。

2,000円弱の手頃な値段も人気の理由だ。

ムシの文字にもこだわる。

虫ではなく蟲。

「竹の昆虫とあるのにクモがいるのは変だ」。

以前そんな声が寄せられた。

節足類全般の意味で蟲の字を使う。

クモ
▲クモも含めて「蟲」と表現

 

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芸術界の危機的状況と
今後の活動

新型コロナウイルス感染症は芸術界も直撃。

例年は幕張メッセや東京ビッグサイトなどの展示会やワークショップに大忙し。

それがコロナで軒並み中止に。

7月にようやく今年最初の展示会が開催された。

船橋のつくり手たち展
▲7月、船橋のつくり手たち展に出展

「夢は竹細工の仕事を長く続けられること」。

6年前に病気のため移植治療を受けたが、今年再発。

今も点滴が欠かせない。

「医療は飛躍的に進歩した。6年前と違い、今は通院しながら自宅で創作できます」と前向きだ。

「作品を展示して評価されるのはうれしいですね」。

来年2月に上野の森美術館で開催の「第26回日本の美術 全国選抜作家展」への出展が決定した。

今後の予定などについては、工房 珍竹林おじさんへ。(ヒロ)

 

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この記事を書いた人

ちいき新聞 レポーター

地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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