房総でおめでたい席や祝いの席に出される太巻きずし。
断面に出るきれいな文様が特徴です。
現在、その伝統を引き継いで、栄養士の龍崎英子さんが設立した千葉伝統郷土料理研究会がさらに斬新なデザインを考案しています。
公開 2020/10/29(最終更新 2023/02/03)

ソバ
大手新聞社の記者を続け、定年延長も終わったので、地域の話題を取材したいと、地域新聞様にお世話になっています。明るく、楽しく、為になる話題を少しでも分りやすく紹介したいとネタ探しの日々です。子どもの頃から麺類が好きなのでペンネームにしました。
記事一覧へ結婚式で食べた感動!各地を回って調査
太巻きずしは山武、東金、茂原、夷隅、市原、木更津などで作られてきた伝統料理。
かつては「おめでたい、はれの日」に男性が中心になって作っていましたが、戦後は農家などの主婦たちが作るようになったとわれています。
東京・日本橋生まれの龍崎さんは1955年に千葉市内の夫の実家で結婚式を挙げました。
その時に出されたのが太巻きずしだったそうです。
「チューリップのデザインで、斬新さに驚きました」と龍崎さんは語ります。
夫の母親の手作りで、その時の感動は今も忘れられないといいます。
栄養士として食事の改善などの指導で県内各地を回る機会を利用して、地域で作られてきた太巻きずしを調べようと思い立ったそうです。

訪れた地で現地の女性たちに太巻きずしを作ってもらい、メモをとる龍崎さん。
しかし、苦労したのはレシピ作り!
女性たちは具材の量や味付けは感覚で決めていたそうです。
「具材を手のひらにのせて、これくらいだ」と言われたそう。
手のひらの具材をスケッチして、自宅に戻って、それを再現して、グラム数を測ったそうです。
こうした取り組みの成果を全県的に普及しようと、千葉伝統郷土料理研究会を設立。
講師を育成して、各地で作り方を教える講習会を開催してきました。
多彩なデザインコンテストで新作も
文様は実に多彩です。
梅、桜、椿、バラなどの花。ウサギ、ブタ、パンダ、サルなどの動物。寿、春、祝などの文字。
「美人ママ」や「うちのパパ」という顔の表現もあります。
同研究会は新作のコンテストも開催し、多くのアイデアが寄せられています。
太巻きずし作る際に注意する事として、龍崎さんはこう語ります。
「材料の重さなど、レシピを忠実に守って作ってください。感覚で作るのは禁物です」
そんな龍崎さんには『母と子の楽しい太巻き祭りずし作り方教室』(東京書店)などの著書が多数あります。

問い合わせ
電話番号/043-234-7254
千葉伝統郷土料理研究会(杉崎方)