
SDGsを知る!ちいき新聞編集部で「THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)」を遊んでみた
最近、ニュースなどでよく耳にする「SDGs」という言葉。みなさんご存じですか?
ちょっと難しそうに思える「SDGs(エスディージーズ)」。
そこで、ゲームを楽しむことで一歩を踏み出すきっかけになれば…と、金沢工業大学の学生プロジェクトが中心となり開発されたのが、「THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)」です。
無料で体験できるダウンロード版は、日本だけでなく、世界66カ国でプレーされているそうですよ!
編集部のプレー動画はこちらから▼
公開 2020/12/29(最終更新 2021/01/12)

編集部 モティ
編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB
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THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)ってどんなゲーム?
「THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)」は、SDGsへの理解を深められるだけでなく、今後のアクションを考えるきっかけにもなるよう設計されています。
さらには、問題解決能力やアイデア創出能力の向上、チームワークの向上や友人・家族間の親密度アップにもつながります。
加えて同じ会社や他社のスタッフで行うことで、パートナーシップの醸成にも役立ちそう!
■対象年齢は?
小学校低学年から、高齢者まで幅広く楽しめます。小さいお子さんとプレーするときは、かみくだいて説明したり、トレードオフカードを簡単なものだけにするなど大人が工夫を。頭が柔らかい子どもの方が、驚くようなアイデアが飛び出すことが多いのだとか!
■どこで入手する?
入手方法は、公式HPからデータをダウンロード(無料)
データは両面印刷用になっています。
厚紙に両面印刷したのち、カットすればOK!
※また、製品版は金沢工業大学内のブックセンターでのみ購入可能とのこと。
希望者は問い合わせを。
THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)のルール
ゲームはいたってシンプルで、「トレードオフカード」と「リソースカード」の2種類で構成されています。
トレードオフとは、「何かを達成するために何かを犠牲にしなければならない状態」。
なので「トレードオフカード」には、いいことをしているつもりだけど、実はその裏で別の問題が起きている…という「課題」が書かれています。
実はこれ、SDGsを進めるのにありがちなことなのだそう。課題解決には、1つの視点だけなくいろいろな視点が必要なんですね。
一方で「リソースカード」には、技術やモノが書かれています。
「シェアサービス」や「ドローン」など「あ、なんか使えそう!」というものから、「ダンス」「お笑い」「ファッション」など一瞬首をかしげてしまうものも。
実は、問題解決のカギとなるのは新たなイノベーション(技術革新)。一見つながりのない無関係な事柄同士が組み合わさることで、イノベーションが生まれると考えられています。このゲームではそんな「イノベーター」の発想力が鍛えられるんです!
そしてゲーム内での大切な約束ごとも。
こうやってしっかり「約束」と記されていれば、臆せずアイデアを出せますね!
■「ビギナー版」と「アドバンス版」があり
「ビギナー版」…参加者全員で助け合いながらアイデア創出に取り組みます。プレー時間は1回15分程度、ファシリテーター1人とプレーヤー3~5人
「アドバンス版」…対戦型のルール。競い合いながらよりいいアイデアを創出するというもの。最後にプレゼンテーション対決もあるので、プレゼン力の向上にも! プレー時間は1回10分程度、ファシリテーター1人とプレーヤー6~9人(2~3人1チーム×3チーム対戦)
初心者はまずはビギナー版がおすすめとのこと。
百聞は一見にしかずということで、ちいき新聞編集部のメンバーで遊んでみることにしました!
実際にプレーしてみました!
編集長を筆頭に、メンバー4人がゲームに挑戦します!
遊び方を教えてくれたのは、ゲームを開発した金沢工業大学大学院1年生の島田高行さん。
大切なポイントは楽しい気持ちでプレーすること。「わくわくするようなBGMをかけて、リラックスした雰囲気の中ゲームを楽しんでください」(島田さん)
「1人目のプレーヤーが出したアイデアに、2人目のプレーヤーがさらにアイデアを重ねる…といった風に、アイデア同士を掛け合わせて、ストーリーを展開させていきましょう」(島田さん)
手持ちのカードが3枚しかないっていうのがミソですね! 限られたリソースでどう解決するのか、発想力が問われます。
どきどきしながら、最初のターン。
トレードオフカードは…
「親が教育熱心すぎて、児童虐待として通報されかけた」(質の高い教育をみんなに)
▲これは大変だ! お母さんムチ持ってます。
アイデアが浮かんだプレーヤーからカードを出してOKとのこと。
1枚目のカードは、私テラモトが出しました。
「ゲーム」
「ゲームの仕組みを使って、子どもが楽しく、能動的に勉強できるようにする!」
ゲームって夢中でやっちゃいますよね。勉強も同じくらい熱心にやってほしいな、と親として常々思っています。
それを受けて、2枚目のカードを出したのは、編集i子。
「ドローン」
「親が見過ぎているから、愛のムチになってしまうのかも。監視役はドローンにさせて、親は少し離れて見ていればいいんじゃない? 子どもはドローンも飛んでて楽しい!」
わ、すごくいいアイデアですね!
そしてこのタイミングで島田さんから「これ、最初にカード出す方が簡単です。後からだんだんと難しくなります」とアドバイスが。
なんか、分かる気がします(笑)!
3枚目のカードは編集長広田。
「シェアサービス」
「勉強の成果をみんなでシェアして、褒め合うシステムを導入したらどうかな。子どものやる気もアップするし、親だけでなくてみんなで子どもの成長を見届けるという点でも有効じゃないですか?」
なるほど~!いいですね!!
最後は、編集R。
出したカードは「おもちゃ」。
「可視化して、頑張ったなっていう子どもにはおもちゃをプレゼントする!」
おお~!きれいにまとまりました。素晴らしいじゃないですか~!!
最後にファシリテーター役の島田さんが、このアイデアを総括します。
「まずゲーム性を取り入れて誰にも簡単でしかも楽しみながら勉強をできる方法を取り入れていく。さらにそれだけではなくて、ドローンを使用して子供のやる気を上げつつ、親も様子を見ることができる。そうやって可視化したものを他の人同士でシェアをしていく、その中で頑張った子にはおもちゃをプレゼントして、どんどん子供たちがやる気を出してもらおう!というアイデアですね」
▲課題が解決できたので拍手~!!
島田さんから「みなさんアイデアマンですね~」なんて褒められ、いい気持ちになる4人なのでした。
多岐にわたる課題に挑む!
さて、ここからは編集部長にファシリテーターをお願いし、スタッフだけでゲームを楽しみます。
トレードオフカードはこちら
「友達にタバコを止めさせようとしたら、友達に嫌われてしまった」(すべての人に健康と福祉を)
▲友達…、なんで…。
ここは編集Rが先陣を切ります。
出したリソースカードは「ダンス」。
「友達にダンスをやろうって誘うんです。ダンスをしていると息が切れるから、自然にタバコも止めたくなる」
すごくいいアイデア!
次にテラモト、「建築」のカードを出しました。
「さらにそのダンスを広めていこうということで、ダンス場を作ります! 禁煙施設なんだけど、楽しくタバコを止められる、という」
続いてi子が出したのは「スマホ」。
「ダンスのスケジュールをスマホで管理。さらにダンスで禁煙できる施設のことを、スマホを使って広く知らせたらいいのでは?」
だんだんと広がりをみせる「ダンスで禁煙」。ラスト、編集長広田がまとめます。
リソースカードは「音楽」。
「音楽とダンスがこの施設で出合う、みたいなイメージです。スマホを使ってミュージシャンとマッチング。音楽やりたい人、ダンスやりたい人、タバコ止めて健康になりたい人、みんなが集まって楽しく過ごせるような場を作ります」
すごい! 友達の禁煙をきっかけに地域の場ができあがりました!
▲ドヤァ!
「体を使うダンスを楽しみながら、自然とタバコがやめられたらいいですよね。建築で、ダンスを踊れる場所を作り、スマホを使って予定のマッチングや活動を広めて誰もが手軽に使えるようにする。そしてダンスに合った音楽を作る。音楽が好きな人とダンスが好きな人を掛け合わせることで、イノベーションが生まれるのではないか。これは、楽しく課題を解決できそうですね」
ファシリテーターの編集部長(喫煙者)も太鼓判!
アイデアを重ね合わせて問題解決するのが楽しい!
はじめは難しそうに思えた、「THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)」。プレーを進めるうちに慣れてくるのか、アイデアもパッと思い浮かぶようになります。
▲気軽にアイデアを出し合える雰囲気作りも大切
例えばこちら。
トレードオフカードは、「移民を受け入れていたら、国民の失業率が上がり始めた」(人や国の不平等をなくそう)
▲将来、十分起こりうる問題
この課題に対して、編集メンバーが出したリソースカードとアイデアはこちら!
1枚目:編集長広田「職人」
「人手不足の伝統工芸の世界。移民や失業者をマッチングして、新たな雇用を生み出すのはどうか」
2枚目:編集テラモト「eラーニング」
「eラーニングを使って、自国にいるときから職人の技術を勉強し、師弟関係を築いておけば入国したときにスムーズ」
3枚目:編集i子「お祭り」
「仕事に就けても孤立しがちな海外の方が、地元の人と交流するためにお祭りを開催」
4枚目:編集R「お花」
「お祭りの最後は、祖国のお花を贈り合って、お互いの文化を知り理解を深める」
こんな感じでアイデアにアイデアを重ねることで、1人では思いつきもしなかったアイデアに結び付くのが楽しい!
何も浮かばない…というときはメンバー全員で協力して考えてもOK!
ゲームをやってみると、SDGsが身近に感じられ、当事者意識も芽生えます。さらに、プレーで養われた発想力は仕事や勉強にも役立ちそう。
友達と、家族と、職場の仲間と、さまざまなメンバーでまた挑戦したいと思いました!
【取材協力】金沢工業大学SDGs推進センター