毎年恒例、粟野の森の炭焼き体験が今年も11月に行われました。
森の爽やかな空気の中で、20人の参加者が落ち枝を燃やし、竹や木の実を次々と炭にして楽しみました。
公開 2020/12/08(最終更新 2022/07/28)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ炭焼きとは、木を「蒸し焼き」にすること
手賀沼周辺やその流域で活動する自然保全団体と流域7市が開催する「手賀沼流域フォーラム」。
その地域企画イベントの一つ、「粟野の森の会」の炭焼き体験に参加しました。
炭焼きには大きな窯が要るのだろうと想像していたのですが、予想外に簡単な方法があると知り、驚きました。
5班に分かれ、手始めに短く切った竹を菓子缶に詰め、ふたをして重しをし、下から落ち枝をどんどん燃やします。
火の勢いが強くなると、缶のふたの隙間から白い煙がもうもうと噴き出し始めました。
竹の水分が水蒸気になって出てくるのです。
やがて煙の色が変化し、煙が出なくなったら、火から下ろします。

冷めるのを待ってふたを開けてみると、何と緑色だった竹が黒光りした炭になっていました!

まるで魔法のよう。
「物は燃やすと『灰』になる。燃やさず蒸し焼きにすると『炭』になる」そうです。
科学実験のようで面白いですね。
6種類の炭材を次々と焼く間に、まきのくべ方や火の扱いにも慣れ、和気あいあいと楽しむうちに約2時間で全てが炭になりました。
自然と人間が共生して生きる豊かな里山
自然と人間が共生して生活していた里山は、人の手を離れると荒廃します。
放置するのでなく、人が手を加えることで豊かな自然が守られるのです。
炭焼きを主催した「粟野の森の会」(現在会員47人)は、2001年の発足以来、森に投棄されたごみを取り除き、間伐や下草刈りをするなど森の整備・保全活動を続けてきました。
森を侵蝕する竹や、枯木や枝を人が間伐すると、森は明るくなり幼木や野草が、次々と命を吹き返します。
炭焼きは、落ち枝や間伐材や竹の有効活用にもなります。

炭化によって多孔質になり表面積が格段と広がった炭は、消臭・乾燥・水質浄化・土壌改良などに効果があり、料理をおいしくする燃料にもなるのです。
「手賀沼流域フォーラム」では毎年数十に及ぶイベントを開催。
「粟野の森の会」など自然団体でも、独自活動やイベント開催があります。
自然を深く知るきっかけにしてみてはいかがでしょう。
手賀沼流域フォーラム
HP/https://teganumaforum.com/