
縄文時代を感じる「どんぐりクッキー」が千葉市で人気上昇中! 「加曽利貝塚ともに生きるプロジェクト」
千葉市の名産を作りたいと、「BAKE DONGURI」のブランド名でどんぐり粉を使ったお菓子を企画する「加曽利貝塚ともに生きるプロジェクト」。
2019年6月に同プロジェクトを立ち上げた田嶋夕紀さんと小島嘉子さんを取材しました。
▲代表の田嶋さん(左)と小島さん。黄色のベレー帽にボーダーシャツがユニフォーム
公開 2020/12/12(最終更新 2020/12/15)

編集部 モティ
編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB
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土器作りの体験など、普段から加曽利貝塚に親しんでいた田嶋さん。
「自然豊かで歴史的価値も高い加曽利貝塚の魅力を、もっと多くの人に気付いてほしくて」と発足のきっかけを振り返ります。
一方で、以前から地元の福祉施設「父の樹会 おおぞら園」とも交流がありました。着目したのは、おおぞら園で作られるおいしい焼き菓子。
縄文時代の主食であるどんぐりを使ったクッキーを、福祉施設の利用者たちと一緒に作り、千葉市の名物にしたらどうだろう…。そのアイデアに賛同してくれた、おおぞら園の小柴施設長、友人の小島嘉子さんらと共に、早速試作をスタートします。
「どんぐりを使ったクッキーといっても、実を砕いて入れるのか、スライスして散らすのか、粉状にするのか…。親しみやすく素朴な味というイメージはあったのですが、『これ!』というものにたどり着くまで、試行錯誤を繰り返しました」と田嶋さん。
使用するどんぐりは、加曽利貝塚をはじめ、農薬散布状況や土壌状態を確認した市内の公園で収集。福祉施設で洗浄、選別した後に、天日干しをして、殻を割り、中身を取り出したら製粉し、そのどんぐり粉がおいしいクッキーに生まれ変わります。
▲クッキーは1袋400円(税込)
クッキーで広がる地域の輪
現在、12カ所の施設が同プロジェクトに参加。そのうち、クッキーの製造をする施設は3カ所(※2020年11月取材時)。
「どんぐりを集める、割る、製造する、ラベルシールを貼る、とさまざまな工程があるので、それぞれ得意な作業をお願いしています」と小島さん。
加えて、誰でも参加できるどんぐり拾いのイベントも開催。昨年の参加者がクッキーを手にして、「私が集めたどんぐりのクッキーだ!」と感激する場面もあったそう。
「オシャレでかわいいお土産」をテーマに、パッケージにもこだわりが光ります。シンプルだけど印象に残るロゴは、四街道市在住のデザイナー両見英世さんによるもの。
▲どんぐりモチーフのロゴがかわいい
「福祉施設で作られたから、ではなくて、すてきだから手に取る、という商品にしたかった」という思いの通り、2020年10月に発売すると、瞬く間に人気商品に!
「BAKE DONGURI」に関わることで、ハッピーが広がり、地域を豊かにしたい―。田嶋さんたちの夢はまだ始まったばかりです。
※取り扱いは、市内カフェや千葉市美術館ミュージアムショップ(中央区)、ウシノヒロバ(若葉区)など。