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ポスト千葉名物「イボキサゴ」って何だ⁉ 加曽利貝塚でも数多く出土

株式会社ネイチャービジネス総研(千葉市花見川区)は、2020年7月に設立されたばかりのピカピカのベンチャー企業。

「イボキサゴ」という巻き貝の活用を主軸に置き、4人のスタッフが情熱をかけて、他社にはない試みにチャレンジしています。

<目次>

・イボキサゴってどんな貝?

・創意工夫で厄介者から人気者へ

・イボキサゴの「価値」を向上するために

 

縄文人のごちそうイボキサゴ

▲縄文人が好んで食べたといわれる「イボキサゴ」。カラフルでかわいい

イボキサゴってどんな貝?

おそらく、多くの人が見たことも聞いたこともない「イボキサゴ」。

ですが、数千年前に千葉に住んでいた縄文人にとっては、貴重な食料だったんです!

実は、若葉区の加曽利貝塚から出土する貝殻のうち、8~9割を占めるのがこのイボキサゴ。ところが、イボキサゴは小さな巻貝なので、食べるところはほとんどありません。

では、何に使っていたかというと、おそらく水と一緒に煮だして、「だし」として使われていたのではないかと考えられています。お肉や木の実を一緒に煮ていたのでしょうか。縄文人、なかなかのグルメですね!

ちなみに、他の地域にある貝塚では、イボキサゴの殻はあまり見られないので、千葉の「特産」だったとも推測されています。

 

イボキサゴの漁のようす

▲イボキサゴの漁の様子

 

縄文人のごちそうだったイボキサゴですが、近代までは一般的に食されていたそう。ですが戦後の東京湾の埋め立てにより、一時は姿を消していました。

ところが、10年ほど前から木更津の盤洲(ばんす)干潟で大量発生するように。すると、イボキサゴの殻をすみかとするヤドカリが増え、養殖ノリに被害が出てしまったのです。

 

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創意工夫で厄介者から人気者へ

2018年にこの事態を知った、(株)ネイチャービジネス総研の越渕さん(当時はイベント会社勤務)。困り果てている漁師さんを助けたい…と、イボキサゴの消費につながる催しを実施しようと考えました。

ヒントとなったのは、加曽利貝塚博物館のスタッフとの打ち合わせ時に飛び出した「イボキサゴのだしでカップラーメンを作るとおいしい」という話から。

以前から加曽利貝塚では、縄文土器でイボキサゴを煮てとっただしをイベントなどで提供していたのです。

 

越渕さんは地元のレストランに呼び掛け、イボキサゴのだしを使った料理を考案してもらいました。

 

縄文秋祭りでにぎわうイボキサゴのブース

▲「縄文春まつり」に出店したブースは大賑わい

 

そして、2018年5月に行われた加曽利貝塚「縄文春まつり」でブースを出店。ラーメンやライスコロッケ、たこやきなど、どの品も好評で、ブースには長蛇の列が!

「海では厄介者扱いなのに、こんなに多くの人に受け入れられのか!」と手応えを感じたそうです。

 

「イボキサゴは太古より千葉で食べられてきた郷土食。これを現在に復活させて、新たな千葉の名物にしたい」と決意を固めた越渕さん。

ですが一人では実現できない…と感じ、マーケティングや流通などの知識が深い知人に声を掛けました。

 

それが、現在のメンバーとなる、菅さん、石川さん、山本さんです。

ネイチャービジネス総研の面々

▲前列左から、石川順之さん、菅謙治さん、後列左から、山本竜太さん、越渕大輔さん

 

代表取締役社長を務める菅さんは、「情報のスペシャリスト」。広い人脈を持ち、情報収集能力に長けていて、人と人をつなげるのが得意。ブレーン的な役割を担っています。

石川さんは「貿易のスペシャリスト」。輸入販売会社の流通部門で培った知識を活用し、販路拡大などに尽力します。

山本さんは、「web販売のスペシャリスト」。また、社会人とミュージシャンの二足の草鞋を履いており、とにかく盛り上げ上手! イベントプロデューサーとしても活躍しています。

そして越渕さんは、「企画のスペシャリスト」。次々と飛び出すアイデアと、イボキサゴにかける熱量は誰にも負けません!

 

それぞれ、はじめに越渕さんからイボキサゴの話を聞いたときはどう思ったのかを尋ねると、3人とも「イボキサゴに可能性を感じた」と口をそろえて話します。

 

「事業内容も面白そうだし、何より漁師さんの課題を解決でき、社会貢献にもつながる。ぜひ参加したい!って思いました」(石川さん)。

「イボキサゴにポテンシャルを感じました。ただ、それをどうビジネスとするのか、具体的に考える人物が必要だと思い、参加を決めました」(菅さん)

「イボキサゴの魅力はもちろんなんですが…とにかくやってみたい、面白そう!っていう『ノリ』の部分も大きかったです」(山本さん)

 

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イボキサゴの「価値」を向上するために

目指すはイボキサゴのブランド化。そのためには、手に取ってもらう機会を増やし、多くの人に魅力を知ってもらう必要があります。

イベントでは、数十キロという大量のイボキサゴを大鍋で煮て、だしを取っていましたが、「飲食店での提供や加工品の製造を考えると、もっと手軽な方法を考える必要がありました」と越渕さん。

頭を悩ませること数カ月。難局を打破したのは、今年6月に外部会社の協力得て誕生した、イボキサゴのうまみを凝縮したエキスでした。これにより、商品化などの道筋が見え、本格的に事業が動き出したのです。

 

 

▲試作品発表会の模様

 

個性あふれる4人によって、近い将来、千葉の名物になるかもしれないイボキサゴ。

私たちの遠い祖先も愛したその味わいを、気軽に楽しめる日が待ち遠しいですね!

 

 

 

最後に今後の展望をお聞きしました。

「まずはイボキサゴのブランディングを成功させること。県内の飲食店で気軽に食べられるとか、加工品が千葉のお土産の定番になるとか、学校給食のメニューに登場するとか…。将来、子どもたちが大きくなったときに、『ケンミンショー』のようなテレビ番組で、イボキサゴがソウルフードとして取り上げられたら最高ですね(笑)。

僕は月に4~5回は木更津に行き、漁の船に乗せてもらって漁師さんともいろいろな話をしています。これからも、こういう関わり合いも大事にしていこうと思っています。リアルタイムでキャッチできる情報を大切に、一次産業の人たちの課題を解決できる仕組みを作っていきたいんです。

将来的には、漁業だけでなく、農業や酪農についても『お役立ち』できるような、そんな企業を目指しています

 


問い合わせ/info@nbri.site

株式会社ネイチャービジネス総研

 

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この記事を書いた人

編集部 テラモト

WEB編集者。千葉市生まれ、千葉市在住のアラフォー。編集プロダクションなどを経て「ちいき新聞」編集部へ。甘いものとパンと漫画が大好き。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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