ちいきの、こえが、みえるサイトチイコミ

検索 メニュー

【千葉市中央区】土偶作りに生涯を捧げる田野紀代子さん

愛らしく、不思議な土偶に魅せられた田野紀代子さん。

千葉市中央区のアトリエ「土偶ZANMAI」で、日々土偶の製作に打ち込んでいます。

田野紀代子さんメイン
▲「土偶のことを考えない日はない」と語る田野さんの毎日はまさに「土偶三昧」

田野紀代子さん土偶レプリカ
▲田野さんが初めて作った縄文中期の土偶レプリカ

一体ごとに魂が込められた土偶

国宝「縄文のビーナス」や重要文化財「遮光器土偶」をはじめ、各地で出土された土偶のレプリカがズラリと並ぶ、田野さんのアトリエ。

複製品といえども一体一体が実に精巧で、神秘的な力を宿しているように感じます。

田野紀代子さん8669

田野さんの土偶作りは、出土報告書を丹念に読み込むところから始まります。

「私は『原位置再生』と呼んでいるのですが、『土偶の向こう側に立つ』ことを、製作する上で何より大切にしています」。

縄文人がどんな思いでこの土偶を作ったのか、地域や時代、使われ方を考え、その土偶を見つめる縄文人の中に自分を置きます。

そうイメージすることで、ただの素焼きの土人形ではなく、魂のこもった土偶が完成するのだと田野さん。

また、今はなかなか難しいが、コロナ以前は、製作前に本物の土偶に会いに行く「縄文の旅」も欠かさなかったそうです。

田野紀代子さん8728

粘土は可能な限り、土偶の色に合わせ、道具も竹などの自然素材のものだけ。

模様を入れる縄は、干したカラムシの茎の皮をはぎ、これを編んで作るという徹底ぶり。

縄の入れ方で、「この土偶を作った人は左利きだったのかな、など想像するのも楽しい」と目を輝かせます。

田野紀代子さん8709

謎多き土偶に向き合い続ける

田野さんと縄文時代との出合いは、知人に誘われて参加した、千葉市立加曽利貝塚博物館での縄文土器作りの体験講座でした。

そこで土器の奥深さと縄文考古学の面白さを知ります。

縄文土器作りの資料を見ていた際、土偶の姿が目に留まり、そのかわいらしさと神秘性に衝撃を受けました。

以後、土器製作の傍ら、土偶作りにも精を出し、今では土偶中心の製作になってきています。

田野紀代子さん8725
▲縄文草創期から晩期まで、時代の変遷とともに土偶の様相にも変化が

1万年もの間、大きな争いもなく、平和に暮らした縄文時代に重要な役割を果たしていた土偶。

一方で、出土数はおよそ2万個程度と時代の長さに対して少なく、貴重なものだったことが推測されます。

「作れば作るほど、土偶の不思議な魔力が、私を想像の世界に引きずり込みます。専門家がある程度解明はしていますが、当の土偶の意味は縄文人にしか分からない。その中で悩みながらも、私なりに答えを出すことが、土偶作りの魅力です」と田野さん。

田野紀代子さん8651

田野紀代子さん8647

土偶を作り始めて12年目。

これまで作った土偶は302体にも及びます。

目標の500体を目指し、今日も田野さんは土偶と向き合い、苦しくも楽しい時間を過ごしています。

アトリエ 土偶ZANMAI

問い合わせ/kinokonoki.0828@softbank.ne.jp 田野

※アトリエは原則月曜日午前10時〜午後4時に公開、入場無料。
 現在、新型コロナウイルス感染防止のため現在一般公開は休止中。
 見学希望者は要問い合わせ。

関連するキーワード

この記事を書いた人

編集部 テラモト

WEB編集者。千葉市生まれ、千葉市在住のアラフォー。編集プロダクションなどを経て「ちいき新聞」編集部へ。甘いものとパンと漫画が大好き。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

編集部 テラモトの記事一覧へ