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「野田ゲー」クリエイターのマヂカルラブリー・野田クリスタルさんのゲームの作り方

個性的なキャラクターと独創的なゲーム展開、シンプルながらも「もう1回」とプレイし続けてしまう、そんな魅力を持つ「野田ゲー」。

手掛けるのは、お笑い芸人マヂカルラブリーの野田クリスタルさん。

独学でプログラミングを学び、既存にとらわれない自由な発想力で生み出される「野田ゲー」はどのように作られるのか教えてもらいました。

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Profile

野田クリスタルさん
お笑いコンビ「マヂカルラブリー」のボケ担当。ピン芸人№1を決める「R-1ぐらんぷり2020」で、自作ゲームを用いたネタで優勝に輝き、漫才コンテスト「M-1グランプリ2020」では見事コンビで優勝し2冠を達成。ゲームクリエイターとしての顔も持ち、独学でゲームプログラミングを習得し、手掛けるゲームは「野田ゲー」と呼ばれている。4月29日(木)には、Nintendo Switchから「スーパー野田ゲーPARTY」が発売予定。

今までのゲームの常識を覆す
パソコンゲームとの出会い

——ゲームとの出会いはいつですか?
ゲームを始めたのは幼稚園の頃からですね。毎日、幼稚園に行く前に30分やっていました。その時にやっていたのがファミコン(ファミリーコンピューター)の「ファイナルファンタジーⅢ」。それが始まりです。僕は兄貴が2人いるので、家にゲームはたくさんありましたし、親父もゲームが好きだったので、ゲームをやらないという選択肢はなかったですね。

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——特にハマったゲームはなんですか?
やりこんだ時間が長いのは、パソコンゲームですね。
——それは何歳くらいの時ですか?
14、15歳の時です。その当時、同級生がやっていたプレステ(プレイステーション)のゲームに比べて、パソコンゲームって常識がないようなゲームがすごく多かったんです。レベルをマックスまで上げるのに数千万年かかるような、そんなゲームだったんですよね。
しかもオンラインで他のプレイヤーとつながれて、1000人くらいで1つのボスを倒したり。今まで家で一人で「ファイナルファンタジーⅢ」をやっていたので、オンラインでつながった時はもう衝撃だったし感動しました。

妄想を形にしたい、それがゲーム作りの始まり

——プレイヤーとして楽しんでいた時期から「作る」へと変わっていったのは?
僕、昔から妄想癖があったんですよ。小銭にセロハンテープでつまようじをつけて、キャラクターを作っては、自分で物語を作って遊んでいたんですけど、そういう自分の中で妄想した物語を形にしてみたくなったんですよね。

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▲手の平に乗るのは、「もも鉄」のキャラ、太ももが鉄のように硬い男「てつじ」

——それでゲームの世界で表現をするようになったんですね
そうですね。一番最初のゲームは「RPGツクール」で作りました。自分でRPG(ロールプレイングゲーム)を作れるゲームなんですけど、中学生の時はそれを使ってずっとゲームを作っていましたね。
——そこからプログラミング言語でのゲーム制作に移っていったんですか?
僕は、プログラミングをやりたかったわけではなくて、ゲームを作りたかったんです。ゲームさえ作れればよかった。だから、プログラミング言語はなんでもよかったんですよね。
そこでHSP(ホットスーププロセッサー)という言語を見つけたんです。それはミニゲームであればすぐに作れるものだったので、これを見つけられたのはすごく僕のゲーム制作にとって大きかったですね。

何を作ってもいいし、何でも作れる
ワクワクして仕方がない

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▲ボルダリングをしながら果物を食べてゴールを目指す「ボルダリング姉さん」

——プログラミング言語を使ってのゲーム作りはどうですか?
面白いですね。だって、どうすることもできるんですよ。僕らが勝手に思い込んでいる「RPGとはこういうものだ」というものを、根底から覆せるんです。
例えば、RPGゲームだと道を歩いてたら敵と遭遇するじゃないですか、それをアイテム欄を選択している時に敵と遭遇する、とかにできるんですよ。本当になんでもできる。発想が無限に広がるので、めちゃめちゃ面白いですね。とにかく思い付いたゲームを作り続けました。
——その頃から今も作り続けていて、アイデアが枯渇したりすることはないんですか?
尽きないですね。むしろ渋滞しています。M-1直後にも作りたいゲームがあったんですよ。
——それはどんな?
M-1での僕たちのネタに対して「漫才か漫才じゃないか論争」があったので、それをゲームにしようと思いました。芸人のシルエットだけ出して、漫才かどうかを当てるんです。で、シルエットが明らかになったら「コントでした」みたいな(笑)。
——面白いですね(笑)
本当に何を作ってもいいって思ったら、僕はワクワクして仕方がないですね。もしゲームを作ってみようと思っているのであれば、既存の考えにとらわれないでほしいです。マジでなんでも作れるので(笑)。
今あるようなゲームを作ってみたい、というのももちろんいいですが、見たことのないゲームを作ってみたいっていう気持ちになるとゲーム作りがより楽しくなってくると思います。最初から大作を作ろうと思うと心が折れるので、まずは思い付いたものをどんどん作っていくといいと思います。

クリアできないゲームは作らない
モヤモヤする楽しさを忘れない

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▲「R-1ぐらんぷり」のネタでも披露された「もも鉄」

——今までどのくらい作りましたか?
20~30本ですかね。世に出なかったものを合わせると40~50本くらい。ただ、自分が思い描いていたものはまだまだ具現化できていないですね。それをするのには1億年くらいかかりそうです(笑)。
——すべてプログラミング言語を使って作ったんですよね? 勉強はしたのですか?
勉強はしたことないですね。こういうゲームが作りたいっていうのがあって、じゃあこれをどうすれば作れるのか? まずは自分で模索します。でも実際はなかなか思う通りには動かない。それで、音を上げたらネットの掲示板のような所で質問していました。それの繰り返しですね。
——昔に比べてプログラミング言語は増えていますが、HSP以外の言語で作ってみようと思ったことは?
FLASHというソフトが流行った時期があって、それでカジュアルゲームのようなものを作る人も多かったんですけど、僕の中でプログラミングをしてゲームを作りたいっていうのがあったので、使わなかったですね。なんかカッコ良かったんですよね。ハッカーみたいで(笑)。Scratchも覚えてもいいかなとは思っているんですけど、今はHSPでいいですね。
——ちなみにゲーム内に登場するキャラクターは何を使って描いているのですか?
パソコンに付属している「ペイント」です。ノートパソコンのタッチパネルの部分を使って2本の指で描いてます。昔からこの作り方ですね。だから絵も全然うまくならないし、あれ単体で見たらひどいもんですよ。
——(笑)。野田ゲーを作る上でのルールはありますか?
クリアできないゲームは作らない。「スーパーマリオメーカー」と同じシステムです。あとは、「死にゲー」(とにかく死にまくるゲーム)と言われる、昔の、単純だけどずっとクリアできない、そんなモヤモヤする楽しさを忘れないようにしています。

史上初!?
何を作るか決めずに素材ありきで制作した「スーパー野田ゲーPARTY」

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——4月29日に発売予定の「スーパー野田ゲーPARTY」について教えてください
僕と支援者およそ2000人が携わって作った新作です。ゲーム本数は16本入っていまして、優勝記念としてM-1でやった「つり革」ネタのゲームも入っています。
このゲーム、史上初となる作り方をしているんですよ。
——どういうことですか?
まず何のゲームを作るかを決めないでクラウドファンディングをスタートさせたんです。それでリターン品を「あなたを主人公させます」とか「あなたが作ったイラストやBGM、ゲーム案をゲーム化します」にしたので、素材だけが大量に集まって。イラストが500件、主人公が20人…(笑)。それを消化するにはどうする?から作ったゲームがめちゃくちゃ多いです。
「将棋Ⅱ」は、将棋の駒にいろんなイラストが描いてあるんですけど、イラストを消化せざるを得なかったので作りました。「音声衰弱」は、音声の神経衰弱なんですけど、あれも音声がたくさん集まりすぎて考えました。動物の写真も50匹集まっちゃって、普通のゲームで50匹も使えるわけないじゃないですか。なので「新・干支レース」を作って消化しました。
ゲームの内容は意外と反射神経とか記憶力とか、人間の能力を測るゲームが多いので、野田ゲーを通じて何らかの能力は伸びると思うんですよね。
——それは楽しみです! 最後に今後の展望などがあれば教えてください
オンラインゲームを作ってみたいですね。あとは、野田ゲーというか自分で作ったゲームが子どもたちの中ではやりたおして、その子たちが大人になった時に、「野田ゲーやったよなー」って言ってほしいですね。

この記事を書いた人

編集部のやまぐち

編集者&ライター。最近は動画編集にも手をだしています。怖がりだけどホラー映画とホラー系のゲーム実況見るのが好きです。ゾンビはダッシュしない派。

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