こんにちは! アラフィフへっぽこライダー<花>です!
2020年7月より、木更津駅西口の木更津市観光案内所でレンタサイクルのサービスが始まり、木更津駅から車なしでも観光がしやすくなりました。
貸し出す自転車は、人気メーカー「ビアンキ」社製のもの。
今回は、このレンタサイクルで地元通おすすめのモデルコースを巡ります! 観光スポットの他、グルメやお土産情報もご紹介。
ちなみに私の体力スペックは「ウォーキング習慣はあるが、運動オンチ」。
バイクを自転車に乗り換えて、このアラフィフ、無事に散策できるのでしょうか?
公開 2021/04/16(最終更新 2023/12/25)

花
48歳で普通自動二輪免許を取得したへっぽこアラフィフ主婦ライダー。千葉は魅力的なライディングスポットがたくさん!取材と称してソロツーを楽しんでいます。【ブログ】https://ameblo.jp/ohana-hann/
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まずは観光案内所で、自転車をレンタル!
レンタルは、2020年4月にスパークルシティ1階に開設された、木更津市観光案内所で行います。
新しい観光案内所にお邪魔するのは初めて!
ドキドキしながらドアを開くと…
カフェと見まがうおしゃれな内装にびっくり!
そう、ここが観光案内所の受付なのです。
今回は予約しましたが、予約なしでもレンタルできます。ただ電動アシスト付き自転車や、ミニベロ(小径車)は台数が少ないので、事前の予約が安心です。
では、早速手続きをしましょう!
身分証明書を提示して、申込書を記入します。
料金は先払いで一般平日800円、土日祝日は1000円です。
ヘルメットやグローブ、チェーンロックも借りられます。
いよいよ今日の相棒が登場!
今回私がレンタルしたのは、昨年12月に導入したばかりの「ミニベロ」。「ミニベロ」とは「小さい車輪」と言う意味です。車輪は小さいですが大人用で、クロスバイクよりも気軽に乗れるので、街乗りにおすすめなんだとか。
では朝10時20分。いよいよ相棒と一緒に出発です!
(頼むミニベロと私の足。)
快調な滑り出し!ちょっと寄り道して「光明寺」へ
車輪が小さいので走りが心配だったミニベロですが、ペダルは軽く、すいすい走れます。
ちょっと寄り道して、出発5分程の場所にある「光明寺」で記念写真。
ここには、実話をもとにした歌舞伎演目の登場人物「切られ与三郎」の墓があります。この芝居は、「与三郎」と「お富」が、潮干狩りの季節に木更津の浜ですれ違い、お互い一目ぼれするも、2人の間には障害が…というストーリー。
「潮干狩りの季節」ってところに木更津イズムを感じます。
これも一種のロケ地めぐり?!
昭和初期の面影を残す「金田屋リヒトミューレ」到着
光明寺から走ること2分。10時40分に最初の目的地「金田屋リヒトミューレ」に到着です!
レトロモダンな外観が目を引くこの建物は、旧「金田屋洋品店」です。
金田屋洋品店は、明治時代に創業。主にバッグや襟巻などの、婦人向けファッション雑貨を販売していました。現在の建物は、昭和7年に建て直されたものです。
戦後はテナントとして、さまざまな業種に使われてきました。平成に入ってからは、長く空き家となっていましたが、平成27年11月に「金田屋リヒトミューレ」として再生したのです!
様変わりした木更津の街に、昭和の姿をとどめる金田屋リヒトミューレ。
一体どんなお店なのでしょうか?
光で回転する不思議なオブジェ・リヒトミューレの専門店
ここは木更津?私自転車で来たんだっけ?
店内に入ってすぐ、目の前に広がる光景に圧倒されました!
まるでおとぎ話に出てくる、魔法のお店のよう。
ここ、金田屋リヒトミューレは、ドイツ製ラジオメーターの専門店。専門販売の店舗としては、国内唯一なんだそう! 店名の「リヒトミューレ」とは、このお店で取り扱っているガラス工芸品「ラジオメーター」を、ドイツ語読みしたものなのです。
差し込む光を取り込んで、キラキラ輝く不思議な置物。これがラジオメーターです。
元は100年以上前のイギリスで、実験道具として誕生したのだとか。
こちらは、長谷川裕隆さん、佳美(よしみ)さんご夫婦で営んでいます。
時計の輸入販売や修理を行う会社に勤めていた、ご主人の長谷川さんは、ラジオメーターの美しさに心を奪われ独立を決意します。そして、先祖が残してくれた金田屋の建物を、老朽化から守り保存するため、木更津に戻ることを決めたのだそう。
クルクル回る、ラジオメーターの羽根の秘密
ガラス球の中で、小さな羽根が生き物のようにくるくると回っています。眺めるうち不思議なことに気が付きました。
ガラスは閉じられた球体です。風もないのに、なぜ羽根は回転するのでしょうか?
「その秘密は『光』です」長谷川さんが教えてくれました。
「球体の内部は半真空状態で、羽根は片方だけが黒く塗られています。光が当たると、黒い面の方がより多くの光を吸収して熱を持ち、表と裏で温度差ができます。その際に起こる空気分子が、わずかに移動する力で羽根が回転すると言われています。この現象を、ラジオメーター効果といいます」
光の種類や強さで、羽根が回る速さは変わるそう。また、ドイツの工房で職人が手作りしているので、回転にもひとつひとつ個性があるそうです。
「ずっと見ていても飽きないですね」そう長谷川さんは目を細めます。
アンティークが生み出す癒しの空間
お店では他にも、時計や文房具などのアンティークも取り扱っています。
ラジオメーターならぬ、真空管ラジオ。こちらは全て修理済み。ちゃんと使うことができますよ。
昔のラジオには、もともと外部入力の端子がついていて、接続ケーブルを工夫するだけで、現代の音楽プレーヤーの音源も流せます。
音楽を再生していただくと、何だか懐かしい音がしました。
建物自体も貴重なアンティーク。今では手に入らない「ダイヤガラス」や「結霜(けっそう)ガラス」が使われた希少なガラス装飾を、昭和初期そのままの姿で見ることができます。
時計修理専門店でもあるお店
金田屋リヒトミューレは時計修理の専門店でもあります。
今回私は、バンドが壊れていた外国製の時計を持参しました。
他店ではいつも高い修理代を言われるか断られていたので、タンスの奥で眠らせていたのです。
この時計は蘇らないものか…すがる思いでお願いすると
「はいはい、バンド修理ですね。550円です」
えっ!
長年のもやもやを、長谷川さんはあっさり10分程で解決してしまいました。
ちなみに、時計の電池交換は、ブランド時計でも880円です。時計修理も受け付けているので、眠っている時計をお持ちの方は、諦める前に相談してみては?
ラジオメーターはショーウインドーからも見ることができますよ!
簡単に物が手に入る反面、簡単に物を捨てがちな昨今。本当の豊かさとは何なのか、立ち止まらせてくれる貴重な時間でした。
日置商店のお弁当をゲット!青空ランチの前に、木更津港に寄り道しよう
すてきな時間を過ごしていたら、あっという間に11時を過ぎていました!
すると「おいしいテイクアウト専門店が近くにあるよ」と、長谷川さんから情報が! 早速、金田屋リヒトミューレから3分程の場所にある「日置商店」に向かいます。
日置商店は、元居酒屋「蔵狸(くらり)」の店舗で、火・木・金曜の11時30分から13時30分まで営業しています。
無事ランチをゲットして「青空ランチと言ったらあそこだよね」と、次の目的地へ向かいます。
その前にまたもや寄り道! 自転車だからこその気軽さですね。
こちらは木更津港。日置商店を出て5分ほどで着きました。
港の美化活動の一環で、ボランティアの会が建てた「あさりのぽこちゃん」。
以前、誕生秘話を取材させていただいたな~。
ぽこちゃん像は、ボランティアの会メンバーの、ベトナム人のお兄さんが作りました。お兄さんは母国で仏像職人をしているのです。ベトナムにはタヌキが生息しておらず、お兄さんにタヌキの資料を送って作ってもらった、というエピソードも。
ぽこちゃん像からすぐ先、「富士見大橋」にやってきました。
車や歩きで渡るには、問題ない緩やかな傾斜の橋です。しかし、自転車スキルの低い私にはちょっと不安。
まあいいか。こぎきれなかったら押して上がれば。
と思ったら、ここもギアのおかげか、すいすい登れる~!
小さくて軽いのにこの性能!頼りになる相棒に助けられました。橋の上からの景色も心地いい。いよいよ目的地も見えてきました!
ついに折り返し地点・潮浜公園
昼休憩と、折り返し地点に選んだのは「潮浜公園」。12時20分に到着です。
オーガニックシティフェスティバル「グローカルハピネス」(毎年11月3日開催)などのイベントも開催される広い公園で、芝生の広場や、海に面した遊歩道も整備されています。
ここで海を見ながらお弁当を食べることにしましょう。
日置商店で私が選んだのは、鶏肉とカシューナッツ炒め弁当(600円)。
まだほのかに温かい、できたてのお弁当がうれしい! 味もボリュームも大満足です!
奥に見えるのは、日本一高い歩道橋「中の島大橋」。おいしいお弁当が、外だともっとおいしく感じられました。
公園には、管理事務所やトイレもあるので、休憩場所にピッタリですよ。
公園内を一周して、そろそろ次の目的地に向かいましょう!
お土産ならここ!創業86年・伝統の味を守る「岩崎物産」
潮浜公園から10分。13時に到着したのがこちらのお店!
創業昭和10年! 86年の歴史を持つ「岩崎物産」です。
看板商品のつくだ煮は、地元民が自宅や贈答用に買いに来る人気店です。私の家族もこちらのつくだ煮が大好物!お土産を買って帰ると決めていました。
店内はつくだ煮の他、水産加工品やお土産も販売しています。
お土産にぴったりな、真空パックのつくだ煮もあります。
20種類のつくだ煮を量り売り
私のお目当ては、こちらのつくだ煮!
岩崎物産では、常時20種類以上を、100gから量り売りしています。
人気はやはり「あさり」だそう。「甘口あさり」「あさり」の2種類から選べます。他には、わかさぎ甘露、いかあられ、生あみなど。どれもおいしそうで、迷ってしまいます。
手前は「くるみ小女子」、奥が「あさり」
木更津の歴史と共に
岩崎物産は創業当初、愛染院の近くで営業していました。当時の様子を、二代目の岩崎利弘さんが教えてくれました。
昭和11年の木更津駅西口。(木更津市立図書館蔵・松井天山『千葉縣木更津鳥瞰』)
利弘さんの記憶によると「ツルヤパンの横あたりだったのでは」とのこと。
金田屋洋品店も地図に載っています。
創業したのは利弘さんの父、貫作(かんさく)さん。当初は、海産物加工品の卸売り店として営業し、やがて、自分たちで生産もするようになります。昭和30年頃までは、久津間(くづま)にあった工場で、石炭と薪で炊いて、つくだ煮を作っていたのだそうです。
現在の社長、三代目の岩崎勝守(かつもり)さんが「昔は、木更津産のあさりで、つくだ煮を作っていました。冷蔵庫がない時代だったので、採れたあさりを日持ちさせるため、すぐにおばさんたちが手でむいて、甘辛く煮付けたんです」と、つくだ煮の歴史を教えてくれました。
現在は工場に生産を依頼しています。しかし保存料や着色料を使わずに、醤油と砂糖、水飴という、昔ながらの味付けは変えていません。
ところで、保存食のつくだ煮は、常温で置いていて大丈夫なんだそう。そう言えば、おせちにもつくだ煮が入っていますよね。私、いつも冷蔵庫にしまっていました。
保存が利くつくだ煮ですが、やはりでき立てがしっとりしておいしいそうですよ。
おいしい食べ方アドバイスや、アレンジメニューも
量り売りの他にも、自分でつくだ煮を選んで、作ってもらう詰め合わせもあります。
3種類 1300円~・4種類 1800円~
5種類 2400円~、3000円~、3400円~、4500円~
つくだ煮の種類や、箱の大きさで値段は変わります。
私も3種の詰め合わせで作ってもらいました。
悩みに悩んで選んだ3種類のつくだ煮はこちら!
あさり(甘口)、エビ、クランベリーくるみ1400円
「甘口あさり」は、あさりの風味を生かしつつも、ショウガのアクセントが効いて、ご飯のお供に間違いのない味!
そして「小女子くるみ」と最後まで迷った、新顔「クランベリーくるみ」!
つくだ煮界に革命を起こすかのようなこの一品、ドライクランベリーとくるみの相性は…
おいしかった!
お茶うけやおやつにピッタリで、一気に食べてしまいそうに。そこをグッと我慢し、クリームチーズと混ぜてディップにしたり、にんじんラぺに混ぜたりしてアレンジしました。どちらもおいしくできて、つくだ煮に無限の可能性を感じました。
伝統の味はそのままに、今なお進化を続ける老舗店。それが岩崎物産の人気の秘密なのかもしれませんね。
いよいよゴール!そして相棒とお別れ
岩崎物産から10分程走って14時過ぎ、無事に観光案内所に戻りました。
受付で装備品を返却。相棒ともここでお別れです。一日私を運んでくれて、どうもありがとう!
10時出発、4時間程のプチサイクリングでした。
体力が心配だったので、遠出はしない計画でしたが、もしかしたら、もっと走れたかも…?
いやいや、翌日にならないと分かりませんね。
木更津市観光案内所には「木更津ロケ地マップ」も置いてあります。
今回ご紹介しきれなかった場所もたくさんあるので、あなただけの木更津を探しに、プチトリップしてみてはいかがでしょうか?
それでは!
木更津市観光案内所
住所/千葉県木更津市富士見1-2-1スパークルシティ1F
営業時間/9時~17時(レンタサイクル利用時間/9時~16時)
休館日/なし(年末年始12/29~1/3は休業)
レンタサイクル料金/一般平日800円、土日祝日1000円、学生及び18歳未満500円 ※地域通貨アクアコインでの支払いなら100円引
駐車場/なし。周辺の駐車場をご利用ください(有料)。
アクセス/木更津駅西口出て正面、J:COM BAY SIDEと併設
問い合わせ/0438-22-7711(木更津市観光案内所)
公式HP/http://www.kisarazu.gr.jp/
金田屋リヒトミューレ
住所/千葉県木更津市中央2-1-16
営業時間/9時~19時
休業日/水曜
料金/腕時計電池交換880円~ 腕時計バンド修理550円~
駐車場/4台分あり(店舗向かい側のカフェの横)
アクセス/[JR]内房線 木更津駅みなと口(西口)より徒歩5分
[アクアライン高速バス] 羽田空港、横浜駅、川崎駅、東京駅、品川駅、新宿駅、渋谷駅 より木更津駅までの直行便をご利用ください。
※ 横浜駅より約45分、東京駅から約60分
[車]金田インターを降りて県道87号を木更津方面へ(約15分)
問い合わせ/0438-38-3538
公式HP/https://www.kanedaya-lichtmuhle.jp/
日置商店
住所/千葉県木更津市中央2-1-24
問い合わせ/080-7888-8653
営業時間/11時30分~13時30分
休業日/月曜、水曜、土曜、日曜
アクセス/木更津市みなと口(西口)から徒歩4分
公式HP/https://www.instagram.com/hioki_shouten/
岩崎物産
住所/千葉県木更津市中央2-2-9
営業時間/8時30分~17時30分(12月は16時30分閉店の場合もあり)
休業日/日曜
駐車場/11台分あり(店舗向かい)
アクセス/[JR]内房線 木更津駅みなと口(西口)を木更津港に向かい、南片町大通りとの交差点を右手に曲がり直進。
問い合わせ/0438-22-3101
公式HP/https://www.kisauma.jp/detail/index_141.html