フェイスブックに投稿のあった2枚の古い写真。
アルバムにある記録から、どちらも1985年ごろの風景だと思われます。
当時の街並みを振り返ってみましょう。
公開 2021/07/24(最終更新 2021/07/21)

1985年ごろの五井駅西口ロータリー
1963年に誕生した市原市。
2年後には臨海部へ多数の大手企業が進出し、70年代にかけては急激な人口増加が見られました。
そして、発展期を過ぎた85年ごろ。
たくさんの地元の人々から寄せられた情報は、この三十数年をたどる貴重な資料です。
写真①は、JR五井駅西口ロータリーの風景。
手前の時計台が現在は、新しく取り替えられているのが分かります。
五井の橋上駅が完成したのが78年。
現在の写真は駅の上から撮影しましたが、古いものも同じ辺りから撮影したと考えられます。
「川上歯科」の名が見える「ネモトビル」も同年建設。
現在も同じ形で同じ場所にあります。
右隣の駐車場には、現在、93年に建った小宮ビルが大きくそびえています。
弊社の市原支社も、2014年から19年まで入居していたビルです。
奥の黄色の建物は、現在も存在するアーケード形の商店街「シンコープラザ」です。
右奥に見えるのは銭湯の煙突。
写真からは見えませんが、五井駅表玄関にからくり時計があったとの情報も。
人形か鳥が飛び出す仕組みのかわいらしいものだったと、人々の記憶に断片的に残っているようです。
1985年ごろのJR姉ケ崎駅前
写真②は、JR姉ケ崎駅前。
89年に現在の駅舎に模様替えする前の風景です。
街のにぎわいはピークを超え、下り始めた頃。
「姉崎商店会」の看板は今はなく、左手の建設中のビルが、現在「久四郎」が入っている建物です。
当時は現在の「ローソン」の少し手前まで商店街が延びており、角には「両総通運株式会社」のオレンジ色の看板が見えます。
通りには「齋藤化粧品店」や、丼もの、ラーメンなどを提供していた「美登利家」、「石福薬局」などの店が軒を連ねていました。
現在、駅の目の前にあるバスの発着点は、同商店会の奥の交差点にあったそうです。
古い写真の撮影者は、投稿者の今は亡き父親。
少し昔の市原市に思いをはせ、懐かしむ機会をつくってくれたことに感謝したいです。(取材・執筆/海)
写真提供/円谷圭井子さん
取材協力/中島陽子さん(「CAFE CARIOCA」オーナー)他多数の地元の皆さん
参考資料/市原市ホームページ
『ふるさとの想い出 写真集 明治大正昭和 市原』佐藤今朝夫発行
『市原の歩み』市原市発行