
ペットの鳥がけがをしたら動物病院へ。
では野鳥は?
野鳥は法律で飼育が禁止されています。
今回は、ちょっと珍しい野鳥の病院を取材しました。
公開 2021/12/11(最終更新 2021/11/29)

保護した野鳥の野生復帰を目指して
行徳鳥獣保護区の遊歩道を塩浜方面へ。
行徳野鳥観察舎(あいねすと)の隣の横長の建物が野鳥病院です。
ここは傷ついた野鳥を救護し、野生復帰を手助けする施設。
保護区を管理するNPO行徳自然ほごくらぶが運営しています。
病院の一部は外から見学できますが、内部は非公開。
スタッフの案内で、まず診察室兼小鳥の飼育室へ。
ここでは獣医の指導の下、傷病鳥を治療しています。
部屋には複数のベビー用蚊帳。
中でツバメやスズメのヒナが飼育されています。

頭上でツバメが飛びました。
巣立ち前の飛行訓練です。
中型・大型の鳥は隣の部屋に収容されています。

野鳥病院では千葉県内で保護された野鳥(ドバト・カラス・白鳥以外)を受け入れています。
年間約200羽が入院。
救護を受け、野生で生活可能な状態まで回復すれば、環境省の標識足環を着けて放鳥します。
野生に戻れるのは4割弱。
5割は衰弱して死んでしまいます。
では野生に戻せない鳥は?
「生涯をここで過ごすことになります」とスタッフの野長瀬さん。
一番の古株はクチバシが奇形のゴイサギで、今年15年目だそう。
廊下の冷凍庫には鶏の頭や魚がぎっしり入っていました。
鶏の頭は猛禽類の餌。
小さく切り、小型フクロウ類にも与えています。

猛禽類は別ケージに収容されています。
片目を失明したオオコノハズクがいましたが、野生復帰は無理とのことでした。

入院理由第2位、「ヒナの誘拐」とは?
入院理由はさまざまですが、人間の生活由来のものが大半です。
電線や窓などの人工物に衝突したり、飼い猫に襲われたり。
釣り糸が翼に絡まってけがをする鳥も。
次に多いのが「ヒナの誘拐」。
巣から落ちるなどした野鳥のヒナを保護することです。
たとえ善意でも、親鳥目線ではわが子の誘拐。
親鳥と引き離すことは、野生で生きる術を学ぶ機会を奪うことになるのです。
保護数が一番多いのは5月から7月で、通称「ヒナラッシュ」と言われています。
落ちているヒナを見かけたら、まず周囲を確認しましょう。
近くに親鳥がいるかもしれません。(ヒロ)
※問い合わせ
tel 047(397)9046
行徳保護区管理事務所【NPO行徳自然ほごくらぶ】
suzugamo9898@gmail.com
https://gyotokubird.wixsite.com/npofgbo