草加市の印刷会社「八坂工芸」(草加市西町481-2)代表の堀田進さんは、自社商品でクリーン活動を応援、その売上から認定NPOへ寄付を行う環境保護活動を提唱しています。

公開 2021/12/21(最終更新 2021/12/16)

海で拾うごみの80%は内陸から流出

八坂工芸の「継美隊」Tシャツやポロシャツは、クリーン活動に取り組む人はもちろん、普段着として身に着ける人が増えることで「ポイ捨ての抑止」を目指しています。

コロナ禍で屋外レジャーを楽しむ人が増え、ごみ問題が原因で閉鎖や立入禁止となった釣り場を取り戻したいとの思いもあり、2021年4月から販売を始めたところ「胸を張ってごみ拾いができるようになった」「Tシャツをきっかけに知り合いの輪が広がった」と、多くの反響が寄せられています。
「自分の活動エリアがどの海につながっているのか興味を持ってほしい」と、海域名とコードを印刷。

「海のごみ拾いと思われがちですが、山・川・町など内陸の美化も必要。八重山や対馬で漂着ごみを拾っている人も着てくれている。海域に目を向けると日本だけの問題ではないと分かります」
夏に開催した「継美隊フォトコンテスト」には多くの参加があり、このプロジェクトがごみ拾いをする人たちの応援につながっていることを、あらためて実感したといいます。

地球に「ごちそうさま」を言おう
小学生の頃から印刷に携わってきた堀田さんが八坂工芸を創業した2009年当時、仕事の多くが海外に流出していました。
価格優先でなく「お客さまが喜ぶものを提供したい」と事業の継続方法を模索した結果、町工場の技術とデザイン力を生かし商品の価値を高めることで、売上の一部を環境改善に取り組むNPO団体へ寄付できると考えました。
「インクなどの原料は全て地球からもらって生かされている。地球に『ごちそうさま』を言うのは当然のこと」と堀田さん。
協力団体の催しには、在庫や廃棄予定品を活用した参加者プレゼントを提供したり、企業にはノベルティーを提案するなど、環境保全の和を広める独自の支援も継続中です。
「散歩やウオーキングでも、思いに共感して身に着けてくれる人は『継美隊』です」
(取材・執筆/aki)

八坂工芸
電話/ 048-954-8915
「継美隊」プロジェクト特設サイト/https://www.yasakakougei.com/yasakakogei-2