貧困や、障害の有無にかかわらず舞台芸術を鑑賞できる機会をつくりたい ――。
草加市内で子どもに関わる活動を行う団体が、新しく支援団体「草の童(わっぱ)の会」を結成。
2021年11月に最初の企画公演が開催されました。

公開 2022/01/17(最終更新 2022/01/14)

それぞれ知恵を出し合って大きな力に
草の童の会(栄町3-3-23 おやこHouse内)代表の三澤江津子さんは、長らくNPO法人「子ども広場草加おやこ劇場」の運営に携わる中で、貧困家庭や障害のある子どもたちは舞台芸術に触れる機会が少ないと常々感じていました。
「演劇や音楽、伝統芸能などの芸術鑑賞を通して、子どもたちの感性を育みたい」と、同じ考えを持つ障害者施設やこども食堂、NPO法人の代表などとタッグを組み、2020年に「草の童の会」を立ち上げました。
1年ほど会合を重ね、その中で縁があった神奈川県川崎市の「デフ・パペットシアター・ひとみ」による人形劇「河の童」の鑑賞会を、昨年11月に草加市内で開催しました。

子どもたちに、わくわくドキドキ体験を
「デフ・パペットシアター・ひとみ」は、ろう者(デフ)と聴者の4人が制作から公演活動を行う人形劇団です。
今回は客演2人を加え、20〜70代の男女6人が出演しました。
人が隠れて黒子に徹する人形劇ではなく、せりふや音楽もほとんどありません。
大小のパペットを使いながら、パントマイムや鉄琴・木魚・小笛などの楽器で情景を表現します。
類を見ない舞台に魅了され仲間になる役者もいるそうで、ろう者の演者も歓迎しています。
終演後、パペットと演者が観客を見送り、写真撮影も。
「人形劇は初めてだったが楽しかった」「かっぱが面白かった」「音に合わせて踊ってしまった」など、せりふや音楽が少ない分、子どもたちは想像力を膨らませ楽しんだようです。

今回の公演は、創立10周年を迎えた「草加松原ロータリークラブ」の協賛を得て無料開催を実現しました。
次回以降もなるべく入場料を抑えて開催するのが課題で、現在は今年の第2回イベントを企画中。
「子どもたちの心の栄養になる体験を得る手助けをしたい。次回からは寄付などの協力を広く求めて継続していきたいと思います」と三澤さん。
今後に注目したいです。(取材・執筆/トモ)
※問い合わせ
電話/ 048-936-1771
草の童の会 三澤