ミツバチを愛するあまり養蜂家になった、千葉県大網白里市の佐久間千晴さんを取材しました。

公開 2022/03/21(最終更新 2022/06/02)

広田 みずほ

広田 みずほ

埼玉県生まれの千葉県民。地域新聞社で広告の企画営業、編集部を経て現在広報担当。好きなものは東南アジアとハイボール。勝田台駅周辺の酒場放浪記を書きたい。★X(旧Twitter)★@tahirom2

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大学卒業後すぐに養蜂家に

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
佐久間千晴さん

生まれ育った大網白里市を拠点に養蜂を行いながら、ハチミツ専門店とカフェ「八八ラボ」を営む佐久間千晴さん。大学を卒業してすぐ、22歳で養蜂家になりました。

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
2021年5月に古民家を改装して、「八八ラボ」をオープン

就職活動をして企業の内定をもらったものの、そこでインターンとして働くうちに「自分にしかできないことを仕事にしたい」と思うように。本当に好きな事は何かと考えた時、たどり着いたのがハチでした。

幼い頃から実家の藤棚にやって来るクマンバチを飽きずに眺めていたという佐久間さん。

「あんなに危険そうな見た目をしているのに、花のミツを集めているってかわいいなと思って」と、愛おしそうに語ります。

ゼロからのスタートでしたが、師匠と仰ぐ養蜂家に出会い、教えを請いながら成長してきました。

今や佐久間さんが作る非加熱・無添加のハチミツには、全国各地から注文が来ます。

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
定番はさっぱりとした味わいの「はるのさと」

ハチミツの味は一期一会

繁忙期の養蜂家の朝は早く、春から夏は4時起きで仕事を始めます。

しっかり完熟しているハチミツを採るには、早朝でなければなりません。早起きなミツバチたちは、朝から花のミツを集めに出掛けます。彼らが巣箱に新しいミツを持ち帰ってくる前に採蜜を済ませるのです。朝と昼では、ハチミツの味が全く異なるといいます。

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
カフェにはハチミツを使った焼き菓子も

1週間に1度は、病気になっていないか、ダニが付いていないか、女王蜂が卵を産んでいるかなどを確認します。このミツバチの健康管理が、養蜂において最も重要な仕事です。

佐久間さんは、「ハチを見ている時が一番楽しいので、ついじっと見ちゃう」とほほ笑みます。

「ハチミツは花の種類で味の違いが出ますが、同じ花でも場所により味が変わることも。また来年も同じ味のものが採れるとも限らず、本当に一期一会」

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
食べ比べセットは手土産やギフトとしてもおすすめ

環境に配慮した製品と耕作放棄地の再生

ハチミツ 専門店とカフェ「八八 ラボ」を営む佐久間千 晴さん
布にミツロウを染み込ませて作ったミツロウラップ

佐久間さんは、採蜜時に巣から削り取ったミツロウも捨てずに活用しています。特に多彩な絵柄のミツロウラップは好評です。洗って繰り返し使えるミツロウラップは、プラスチックゴミの削減につながります。「思わずかわいいと手に取ったものが実は環境に配慮された製品だったら、自然と伝わっていくはず」と佐久間さん。

さらに耕作放棄地を借りて緑肥になる蜜源植物を数年間植え、肥沃な土地にして持ち主に返すという活動も行っています。少しでもハチの役に立てればという思いからですが、巡り巡って人にとっても良い環境が作られると考えているそう。

ハチをこよなく愛する若き養蜂家は、ハチにも人にも優しい未来を見据えていました。

八八ラボ
住所/千葉県大網白里市細草1810-7
電話/ 080-8700-8465
オンラインショップ/https://88honey.jp/