就労継続支援B型事業所の利用者たちが、一人一人できる事や得意な事を生かして作る、世界に一つのハンドメイド・リースが好評。
メルカリなどのネットショップにも出品し、精力的に製作しています。
公開 2022/04/18(最終更新 2022/04/15)

全盲の利用者のアイデアから生まれた
就労継続支援B型事業所「ココロスキップ」では、毛糸を指編みしたロープをベースの輪に巻き付け、小物で飾り付けをしたリース作りに取り組んでいます。
事業所の店頭や、手作り品を出品できるメルカリ、minneなどのネットショップで販売し、好評です。

今、店頭には端午の節句飾りが並んでいます。クリスマスや正月飾り、ひなまつりやハロウィーンなど、季節に合わせて作っています。
2020年に、60代の全盲の女性・初子さんが、指編みでクリスマスリースを作ったことが始まり。
今は、もう一人の全盲の女性で、編み物が得意な淳子さんと手分けしてロープを編んでいます。
「毛糸で指がこすれて痛めたりすることもあるけれど、夢中で編んでしまうのよ」と淳子さん。

一人一人のできる事 得意な事を仕事に
編んだロープを輪に巻き付けるのは、別の人が担当します。
毛糸のふわふわ感を生かしつつ、たるまないように巻き付ける力加減が難しいとのこと。

小物の飾り付けはまた別の人の仕事です。
施設長の大政マミさんは、「事業所には現在70人の利用者登録がありますが、一人一人障害の種類や程度が異なります。できる事、得意な事を『仕事』にして収入を得ることを目指しているので、作業内容を細かく分けて、多くの人が作業に関われるようにしています」と語ります。
季節のリースの他に、結婚や出産、開店祝いなどに贈るハッピーリースもあります。
毛糸の手触りと温かな印象、ハンドメイドのぬくもり、「世界に一つだけ」の価値、一つのリースが完成するまでのストーリーに共感して購入する人が増えています。
障害者だからこそできる仕事を
「障害者だからこそできる仕事をつくりたい」という思いから誕生したココロスキップには、もう一つ代名詞ともいえる「仕事」があります。 それは点字名刺プロジェクトです。

障害者の中でも特に視覚障害者は出歩くにも困難が多いので、就職が難しいとのこと。
視覚障害者がメインで活躍できる仕事を、と考えた結果、点字名刺を業務のメインにしました。
顧客から送られてきた名刺を、一枚一枚、点字を打つ機械に丁寧にセットして打っていきます。視覚障害者と晴眼者がペアになって、手順よく進めます。
丁寧に検品を重ねて納品される点字名刺はとても好評で、さまざまなニーズがあるそうです。
何らかのボランティア活動をしたくても時間がなくて難しいという人や企業が、「ココロスキップに点字名刺を依頼すること」、そして「それを使っていくこと」で社会貢献ができます。
渡す相手は視覚障害者に限りません。
またアルファベットの点字は世界共通なので、点字入りの名刺が世界各地で取り交わされれば、視覚障害の理解にもつながると期待されています。
※点字名刺プロジェクトは点字の刻印のみで、名刺の印刷は受け付けていません。
就労継続支援B型事業所 ココロスキップ
住所/埼玉県越谷市大沢3-10-28 ピアザクラウン1階
開所/午前9時~午後4時30分
定休/日曜、祝日
問い合わせ/ 048-978-9198
点字名刺プロジェクトはコチラ