江戸時代のおもてなしの心が詰まった「こしがや宿のお弁当」は、越谷に暮らし、越谷を学び続けるこしがや地域ネットワーク13(ケネット13)が、学習会を通して形にしたものの一つ。
メニューの一つ一つに越谷の歴史が隠れています。
公開 2022/05/09(最終更新 2022/05/06)

「知ろう」「学ぼう」から始まった活動
こしがや地域ネットワーク13(ケネット13)は、女性リーダーを育てようと開かれた「こしがや女性大学」の修了生有志で1999年9月に結成しました。
都心に近い越谷市は結婚などを機に移り住む人が多く、会のメンバーもそうした新住民たちでした。
「越谷の名物を作りたい。ならば、『まずは越谷を学ぼう!』と思ったんです」と振り返るのは、ケネット13の代表を務める駒崎美佐子さん。
ケネットのKは越谷のこと。市内13地区をつないで住みよい町づくりをしようと、日々学んでいます。

学びを形にした越谷いろはかるた
越谷を知る一環として最初に取り組んだのが、13の地区センターと共同で開催したセミナー「ふれあい合校」。
この活動の集大成の一つが「越谷いろはかるた」です。
ふるさと越谷の再発見のきっかけにしてほしいとの願いが込められています。

江戸時代の「おもてなし」を再現したお弁当
また、江戸時代の豪商・塩屋吉兵衛が客人に提供した「おもてなし料理」の再現にも挑戦。
江戸に近い水郷・越谷は立地条件が良く肥沃な土地柄で、今も有名な越谷ネギの他、もち米やウナギ、卵(養鶏場)、慈姑など名産が多く豊かな宿場町でした。
吉兵衛ら豪商は、飢饉のときには率先して救済活動を行ったといいます。
「こしがやかたぎ=おっとりした気質」とは、近くに頼もしい存在が多くいる安心感から生まれたのでしょう。
人間性豊かな吉兵衛がどんな料理で客人をもてなしたのか。
駒崎さんらは試行錯誤の末、越谷で収穫される良質なもち米を使った赤飯、越谷ネギを使ったネギごった、 かつてウナギやナマズなど川魚料理が名物だったことからウナギ、 宮内庁鴨場があることにちなんでカモ肉、 養鶏が盛んだった=卵と地場産の小松菜を組み合わせた和え物、 「当時は江戸から取り寄せた」鮮魚のなます、 昔の農家は自家製みそを作っていたことにちなんでなす田楽、縁起のいい魚・キス(またはエビ)の天ぷらと、当時のもてなし料理を再現。
地産地消の弁当作りで人気のワーカーズ・コレクティブ「キッチンとまと」に依頼し、「こしがや宿のお弁当」として商品化を果たしました。

「お弁当を味わいながら越谷の歴史に触れてみてほしい」と話しています。(取材・執筆/moco)
※問い合わせ
こしがや地域ネットワーク13(ケネット13)
電話番号/ 048-976-0738 駒崎
キッチンとまと
住所/埼玉県越谷市蒲生東町18-13 (日の出商店街)
電話番号/ 048-987-8088