市内小学校のPTA有志で始まり、四街道市の市政開始とともに会を発足。

木漏れ日のように、柔らかな光で人々の疲れを癒やし、安らぎを…という願いを込め活動し、今年で41年を迎えます。

【四街道市】目の代わりとなり情報を届ける音訳グループ「こもれび」
こもれび会員の皆さん

公開 2022/08/11(最終更新 2022/08/04)

ちいき新聞ライター

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目の代わりとなり情報を届ける

音訳とは情報を音声に変えて伝達することで、全国の視覚障害者約31万人のうち90%が音訳を利用しています。

特に事故や病気で中途失明をした人は点字を苦手とすることが多く、音で情報を得られる音訳は重宝されています。

こもれびでは音声を吹き込み、PCで編集をしてCDに音源を入れて視覚障害者へ届けています。

読んで終わりではなく、機械操作までこなすことが大変であると、発足当時から携わってきた上野さんと、代表の元山さんは語ります。

かつては盲学校や老人ホームで対面朗読をしたり、個人依頼図書を録音していましたが、今は会員数も減少し、コロナ禍でもあり、「市政だより」と「福祉よつかいどう」の音訳が主な活動。

対面朗読は現在1人のみ利用していますが、博識な利用者との交流から学ぶことも多く、大切な交流のひとときとなっています。

【四街道市】目の代わりとなり情報を届ける音訳グループ「こもれび」
編集作業。PCを用いて自宅録音することも

感性を磨きより充実した音声を

こもれびでは朗読の講師を招いて定期的に勉強会もしています。

一見、芸術性が求められる朗読と、主観を省く音訳は相反するものと感じられますが、間や息継ぎのタイミングなど基礎は共通する部分も多く勉強になるといいます。

【四街道市】目の代わりとなり情報を届ける音訳グループ「こもれび」
録音の風景

「過去にご指導いただいた先生からは『能動的に学び、感性を磨くことが大切』と教わり、技術面だけでなく、自然を楽しみ絵画や音楽など良い文化に触れることを心がけています。皆で出かけて自然の中で詩を読んだりしたこともありました」と上野さんは振り返ります。

現在は会員の多くが仕事をしながら活動しており、時間的な制約はありますが、代表の元山さんは「仕事ではないので足並みがそろわなくてもいい。それぞれができることをして、視覚障害者の支えとなりたい」と語ります。

今後はZoomを活用した対面朗読への挑戦や市内飲食店や名所の案内など、新しい風を取り入れられたらと考えています。

4月からは会員の半数が新人になり不安もありましたが、新人会員たちがとても熱心に活動に取り組む姿を通して、グループ全体に活気があふれているそうです。

さまざまな世代を超えて協力し合える温かい関係に、柔和な光と希望を感じました。(取材・執筆/さがえ)

活動場所/四街道市ボランティアセンター
住所/千葉県四街道市鹿渡無番地 総合福祉センター3階
問い合わせ/043-421-6300 同センター 
(午前9時~午後5時 ※日曜・祝日・年末年始は休み)