みんなで考える「へいわってどんなこと?」
浜田桂子さん(埼玉県出身)

公開 2022/08/29(最終更新 2022/08/30)

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東京生まれ。月の出ている日は必ず見つけて写真に撮りブログにアップする月大好き人間です。果物を食べながら、「この果物はどうやって生まれてきたのかな?」とすぐ考えるタイプ。ちなみにプロフィール写真は、以前記事作成のために撮影した栗の赤ちゃんです。
記事一覧へ平和の素晴らしさを伝える平和絵本
デザインの仕事を辞めて子育てに専念した後、37歳で絵本作家デビューした浜田桂子さん(74)。
『ぼくのかわいくないいもうと』『おやおやじゅくへようこそ』(ポプラ社)など、面白い着想で大人も子どもたちも一緒に笑顔で楽しめる作品を数多く描いてきました。
その中の一冊『へいわって どんなこと?』(童心社)は、「平和の意味を子どもたちと一緒に考えられる優れた作品」と高く評価され、小学校の課題図書にも選ばれました。
「戦争の悲惨さから平和の大切さを知らせるのも大事だけれど、平和の素晴らしさも伝えたかった」という浜田さん。
さまざまな個性を持つ子どもたちの笑顔があふれるこの絵本を抱え、日本の小学校やアジアの他、世界の子どもたちと平和を考えながら絵を描くワークショップも続けてきました。

日・中・韓の絵本作家が話し合い一緒に制作
実はこの絵本、日本と中国と韓国の絵本作家が話し合い、制作途中も議論をしあいながら描いたもの。
絵本作家で美術家の田島征三さんの「日本が戦争被害を与えた中国、韓国の絵本作家と共同で平和絵本を作ろう」との発案で始まった「日・中・韓 平和絵本」のうちの一冊です。
日本人絵本作家4人が呼び掛け、中国、韓国から各4人の絵本作家と出版社各1社が参加しました。
浜田さんの『へいわって どんなこと?』は、2011年に出版。
すでに日・中・韓の3カ国で子どもたちに読まれていますが、さらに2019年には香港版、2021年にはベトナム版も出ました。
香港版では、「2020 Hong Kong BookPrize」という大きな賞を受賞しています。
「試作本を作って見せ合い、歴史や思い、文化の違いを認め合いながら、互いに納得いくまで描き直してできた絵本です」と語る浜田さん。
絵本が開かれるたびに、交流で深められた平和への思いが広げられていきます。
【2022.7.27追記】
滋賀大学とウクライナ・ドニプロ国立大学の学生が共同で『へいわって どんなこと?』の日本語とウクライナ語の朗読動画を制作。
2022年5月3日~9月末までYouTube で配信されているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=gKgjc9A3JZU