取手市で、障害があることへの理解を深め、障害者へのちょっとした配慮や手助けを実践できる「あいサポーター」を養成し、誰もが暮らしやすい地域社会の実現を目指す活動が始まりました。

取手市あいサポート
6月23日に鳥取県との締結式が行われた

公開 2022/08/12(最終更新 2022/08/04)

ちいき新聞ライター

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茨城県初の運動がスタート

横断歩道橋の前で、車椅子の人が立ち止まっていたらあなたはどうするでしょうか。

「とりで障害者協働支援ネットワーク」の代表を務める染野和成さんは、歩道橋の前でこんな経験をしました。

一人の女性が「横断歩道橋を渡るんですか? 車椅子ごと抱えていきましょうか?」と親切に声をかけてきました。

しかし、車椅子の重量は実は100キロもあります。

染野さんの体重と合わせると140キロ近くになり、とても1人の人間で抱えられる物ではありません。

「気遣ってくれるのはうれしいけど、現実的にどんなサポートができるのか知られていないと、改めて感じました」

取手市は鳥取県との協定を締結し、茨城県初の「あいサポート運動」を開始。

これは、2009(平成21)年に鳥取県で創設されたもので、取手市ではこの運動を知った「とりで障害者協働支援ネットワーク」からの提案を受け、始めるに至りました。

今では全国の自治体に広まり、2022年5月末現在では8県15市6町で推進されています。

「あいサポート運動」とは?

取手市あいサポート
研修を受けた証しとなる「あいサポートバッジ」。シンボルマークは心を支える様子を表すとともに、「SUPPORTER」の「S」を表現している

この運動は「障害を知り、共に生きる」をスローガンに、障害の特性や障害者について多くの人に知ってもらい理解をしてもらうことで、障害者と健常者の垣根をなくし、双方が自然に歩み寄れることを目指します。

障害には多様な特性があると知ってもらうため研修を開催。
受講者はサポーターの証しとして「あいサポートバッジ」が受け取れます。

そのバッジがあれば、障害者はより安心して手助けを求めることができるようになるでしょう。

障害福祉課では、初年となる今年は「あいサポート運動」を広く知ってもらおうと、広報活動を中心に行っていく予定です。

興味がある企業や市民団体をはじめ、個人にも研修会を開催し、「あいサポートバッジ」を配布します。

同課の担当者は、「サポートが必要な人と、手助けをしたいけれど何をしたらいいのか分からない人をつなぐ運動にしていきたい」と話します。(取材・執筆/ぶー太郎)

【問い合わせ】
取手市福祉部障害福祉課 加藤・鈴木
TEL/0297-74-2141(内線1330)
メール/shogaifukushi@city.toride.ibaraki.jp