埼玉県草加市内の東武スカイツリーライン高架下の橋脚に描かれた壁画が話題を呼んでいます。
基になるデザインは近くの中学校の生徒たちが考案。
いたずら書きの絶えない橋脚に「もう落書きしないで」という思いが込められており、予防効果が期待されます。

公開 2022/09/13(最終更新 2022/09/13)

東京オリ・パラや名所スポットが壁画に
場所は、越谷方面から綾瀬川を渡った草加市側にある鉄道会社管理の道路。
壁画はコンクリートの橋脚の幅いっぱいを使って横18m× 高さ2.4mにも及びます。
絵のテーマは東京オリ・パラ。サッカー、重量挙げ、卓球などさまざまなスポーツ競技に打ち込む選手の姿が鮮やかに、躍動感豊かに描かれています。
富士山や浅草寺の雷門、スカイツリーや東京タワーといった名所や観光スポット、地元・草加の松や桜も題材に取り入れられ、国際感あふれるデザイン。
付近の住民からも「通りが明るい印象になった」と好評です。

中学生が落書き防止の願いを込めて制作
川沿いで夜になると人通りが少ないこの場所は、以前から橋脚にスプレーでアルファベットや漢字を吹き付けた落書きが後を絶たなかったそうです。
鉄道会社が上塗りする形で消しても、その上にさらに落書きが繰り返されていました。
地元から対応を要望された草加市は、過去の経験から壁画を描くことを計画。
鉄道会社に提案したところ、快く了解が得られたため、橋脚に描くデザインを草加市立新田中学校に依頼しました。
東京オリ・パラをテーマに、同校美術部の部員21人が縦50㎝ × 横4.5mの原画を制作。

昨年の夏から4カ月かけて完成させた原画は、塗装業者の手によって見事に橋脚に再現されました。
公共物への落書き行為は景観を損ねるだけでなく、治安を低下させ地域住民の不安を増大させます。
地元中学生のデザインによる壁画という手段で落書き防止に出た市や鉄道会社、明るくユニークなデザインを描いた新田中学校美術部の部員たちに拍手!(取材・執筆/テツ)
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