日本文学研究者、故ドナルド・キーンさんの生誕100年を記念して、草加市文化会館の施設「漸草庵(ぜんそうあん)百代の過客(はくたいのかかく)」の庭園に顕彰記念碑が設置され、去る2022年7月28日にドナルド・キーン記念財団代表理事のキーン誠己(せいき)さん出席のもと、除幕式が行われました。

除幕式の様子
除幕式の様子

公開 2022/10/11(最終更新 2022/10/11)

ちいき新聞ライター

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生誕100年記念でゆかりの草加に建立

碑は緑雲石で、草加市内在住の彫刻家・麦倉忠彦さん制作のブロンズ製レリーフと、キーンさん直筆の「日本を寿(ことほ)ぐ」が刻まれています。

レリーフを見つめるキーン誠己さん
レリーフを見つめるキーン誠己さん

レリーフのキーンさんは、学者らしさの中に品格ある表情がとても印象的です。

碑建立は、親交のあった市民団体「ドナルド・キーン先生を顕彰する会」(今井宏代表)が協賛金を募ったもので、市内外から297件の協賛がありました。

8月には「お披露目会並びに建立報告会」が行われ、キーン誠己さんによる「父ドナルド・キーンを語る」講演会も開かれました。

「おくのほそ道」英訳 草加市と長年の交流

草加市は松尾芭蕉の奥の細道の道中にあり、「其の日漸う草加と云う宿にたどり着きにけり」と書かれています。

1988(昭和63)年に開かれた草加市制施行30周年記念「奥の細道国際シンポジウム」で、キーンさんが基調講演を行ったことから交流が深まりました。

「顕彰する会」の面々
「顕彰する会」の面々

キーンさんは市が主催する「奥の細道文学賞」の選考委員を務め、芭蕉や奥の細道などの評論「ドナルド・キーン賞」も創られています。

文化会館館長の曽合さんは、「草加の文化振興において、かけがえのない大恩人です」と話してくれました。

(取材・執筆/江梨)

※問い合わせ
草加市文化会館
住所/埼玉県草加市松江1-1-5
TEL/048-931-9325
公益財団法人草加市文化協会
メール/info@soka-bunka.jp