2022年7月、さいたま市岩槻区の旧道沿いに1軒のベーグルショップがオープンしました。

近隣の住民たちも参加して、築100年以上の古民家をリノベーション。

その経緯と思いを聞きました。

公開 2022/12/13(最終更新 2022/12/13)

ちいき新聞ライター

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地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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乾物の「宮田屋」として長年愛されていた

MIYATAYA BAGLE
「宮田屋」の面影を残した外観

リノベーションした古民家は、かつて「宮田屋」という乾物屋でした。

「お祝い事には宮田屋の乾物を贈る」など、長年地域に愛され、店舗のある通りは「宮田屋横丁」と呼ばれて親しまれていたそうです。

その背景と屋号を大切に受け継いで誕生した新しい店MIYATAYA BAGELは、「プレゼントしたくなるベーグル」がコンセプト。

「贈った方も贈られた方も幸せになるようにとの思いを込めて」と代表の浅野高志さん。

MIYATAYA BAGLE
代表の浅野高志さん

頭文字の「m」をモチーフに、「贈り物」「つなぐ」をイメージするリボンをデザインした店のロゴにも、その思いが託されています。

MIYATAYA BAGLE ロゴ
「贈り物」と「つなぐ」をイメージしたロゴ

共にDIYを経験し関心を持ってほしい

「元々まちづくりに興味があり、さいたま市の『リノベーションスクール@岩槻』に参加。古民家はその案件でした」と浅野さん。

そこで出会った、職業も年齢も異なる仲間と事業化。

ベーグル店へのリノベーションがスタートしました。

店を作った経験と思い出を多くの人と共有したいと、地元の人たちにDIYへの参加を呼び掛けたところ、家族連れや若者が駆け付けてくれました。

床をはがしたり掃除をしたり、小さな子どももペンキ塗りで参加。

そうしてよみがえった梁は、お店の雰囲気作りに欠かせない存在となっています。

ベーグルを通して地域のつながりを

MIYATAYA BAGLE
店舗の設計にも携わったスタッフの菅野さん

ベーグルは国産小麦100%で、北海道産天然酵母を使用。

「地域のお店とのつながりも大切にしたい」と、岩槻の老舗酒店「鈴木酒造」の酒粕から作った甘酒を練り込んだ甘酒ベーグルも商品化され、好評です。

商品のラインナップや新作情報はインスタグラムで発信しています。

MIYATAYA BAGLE
心を込めて手作りしているベーグルの数々

常連らしき男性客がスタッフと会話をしながらお気に入りのベーグルを購入し、うれしそうに帰る姿が、かつての「宮田屋」の風景と重なりました。

(取材・執筆/茶々)

MIYATAYA BAGLE
住所/埼玉県さいたま市岩槻区本町3-12-11
営業時間/午前11時~午後4時
定休日/日・月曜
TEL/048-606-3680
HP/https://www.miyatayabagel.com/
インスタグラム/https://www.instagram.com/miyataya_bagel/