街の在り方、人の関り方が変わる中で、安心・安全な街づくりに必要なことは? 県内で多くの防犯診断や講和を行う千葉県防犯設備協会の平間さんと苗村さんに、地域防犯について、お話を聞きました。
教えてくれたのは…

| 理事 苗村冬人さん(左) 会長 平間義康さん(右) |
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| 一般社団法人 千葉県防犯設備協会 |
公開 2026/07/01(最終更新 2026/06/26)
住民同士のつながりが強固な防犯壁に
街全体で防犯に取り組む最大の利点は、不審者に「この街は狙いづらい」と心理的圧力を与えられる点です。地域防犯の成功事例として、習志野市の秋津小学校を拠点としたコミュニティーが挙げられます。ここでは学校の空き部屋を地域住民に開放し、多世代が交流する場を作ることで「顔見知りの関係」を築いています。
また、兵庫県神戸市の北須磨団地でも、子どもと高齢者が日常的に触れ合えるイベントが数多く開催され、顔見知りを増やすことで街の中に自然と見守りの目を作り、誘拐や詐欺を防いでいます。
不審者にとって最も活動しやすい環境は、住民同士が無関心な街です。2つの街のように、住民同士のつながりが犯罪者にとって「入り込みにくい環境」を作り出し、強固な防犯壁となるのです。自治会などが弱体化する現代社会において、今後の防犯の在り方としては、従来の組織的な活動だけに頼るのではなく、「住民一人一人の関心」と「人のつながりの強化」が重要になると考えられます。
簡単なのに効果的! 今日からできる防犯対策

今日からできる対策として最も簡単で効果的なのは「あいさつ」です。
不審者は声をかけられることを極端に嫌うからです。また、自宅の植栽を整えて見通しを良くしたり、門扉やインターホンの位置を工夫して私有地の境界(領域性)を明確にしたりすることも、不審者を近づきにくくさせる心理的な障壁になります。こうした物理的な工夫と「人の目」を組み合わせることが、防犯効果を飛躍的に高めます。
「防犯カメラ」の重要性と地域が抱える課題

近年、防犯カメラの設置を希望する自治会が増えています。カメラには犯罪を未然に防ぐ威嚇効果と、事件後の早期逮捕につながる証拠能力という大きなメリットがあります。
一方で、適切な管理が新たな課題となっています。せっかく設置しても、いざという時に操作方法が分からなかったり、データが上書きされて消えてしまったりするケースが少なくありません。
当協会では、こうした管理業務を代行し、警察からの画像提供依頼にも迅速に対応できる体制づくりも支援していますので、専門機関に頼るのも持続可能な体制づくりには不可欠といえるでしょう。
防犯は特別なことではなく、日常のコミュニケーションの延長線上にあります。「地域に関心を持ち、顔見知りを増やす」、その小さな積み重ねが、不審者を寄せ付けない「強い街づくり」につながっていくのです。
街に潜む「狙われやすい場所」は?
コインパーキング
誰でも自由に出入りでき、不審な車両が停まっていても周囲に怪しまれにくいという性質があります。また、逃走経路としても利用されやすいため、犯罪者にとっての足がかりになりやすいのが懸念点です。対策としては、近隣住民が「見慣れない車や人」に意識を向け、あいさつを交わすなどの「人の目」を絶やさないことが重要です。
暗い場所
学校の通学路などでも、夜間になると急に人通りが絶え、街灯が不足するエリアが散見されます。特に冬場は午後4時過ぎから暗くなるため、子供や女性がひったくりなどの被害に遭うリスクが高まります。対策としては、自治体へ防犯灯の増設を要望するのはもちろん、「個人の家の明かり」も大きな力になります。玄関灯を夜通しつけたり、センサーライトを設置することで、街全体の明るさを底上げできます。