川越出身の神谷利一さんが立ち上げた、ひとり出版社「仙波書房」から、今年5月に『川越の建物近代建築編』が刊行されました。
企画、編集、営業などすべて自身で行い、「アニメ画の建築本」という新しい角度で川越の魅力を発信しています。

公開 2021/08/10(最終更新 2022/03/11)

サクラ
埼玉県川越市在住。ひとり旅経験を生かして旅エッセイやインタビュー、ローカル紹介メディア等で執筆活動中。散歩道でささやかな幸せを見つけるのが得意。夫婦で飲食店兼シェアスペースを運営しつつ、野菜作りとサボテンと散歩を愛する「好き」が多い30代。
記事一覧へ出版社勤務の経験を生かして一人で創業
神谷さんの地元でもある川越市内には、歴史ある建築物が点在しています。
以前から関心のあったそれらの建築の魅力を、幅広い人に届けたいという思いから、出版社勤務時代のスキルを生かして独立し、第1作となる本書を発刊しました。

国の登録有形文化財に指定されたりそな銀行など、近代建築を写真とイラストで21点掲載。
建築の特徴については専門用語を極力省き、「ぐるぐるマーク」などの親しみやすくほほ笑ましい表現で説明し、普段建築と縁遠い人の興味もそそります。
A5判166ページ、4色刷、2200円。
鮮やかな画と読み手の視点に立った工夫

(左がイラストで右は実物の写真)
本書を手に取ったとき、ひときわ目を引くのは美しいイラスト。
写真と見紛うほど細部にわたって写実的に描かれている一方で、アニメ映画の世界に引き込まれるような錯覚を覚えます。
神谷さんの発案により、アニメ背景画の老舗「プロダクション・アイ」が手がけました。
さらに、柔らかいマットな質感が上品なカバー、読者への配慮から生まれた文章の余白、過去の建物の姿と比較できる写真を掲載するなど、推敲を重ねたこだわりが随所に散りばめられています。
小江戸・川越散歩をもっと楽しく
発売に合わせて、川越駅前の川越マイン(8月末まで)や、ジュンク堂書店池袋本店(9月1日〜9月30日)でイラスト展が開催されるなど、大きな注目を集めています。
「特撮やアニメ、映画などで使用された建物も多く掲載して、聖地巡礼もできる内容になっている。
この本を片手に、川越のまち歩きをより深く楽しんでもらえたら」と神谷さん。

昔ながらの情緒あふれる「小江戸」と呼ばれる川越で、ただ観光するだけでは知り得ない、昔の面影と新しい一面を発信しています。
仙波書房
電話番号/ 04-2968-8195
公式HP/https://www.semba-shobo.com/