越谷の総鎮守、越谷久伊豆神社に隣接する「越谷アリタキ植物園」。
個人の所有から市に遺贈されて10年以上。
埼玉県内でも珍しい植物園として、市民の憩いの場となっています。

公開 2021/10/26(最終更新 2021/10/25)

国内外に知られた個人所有の植物園
1898(明治31)年、地元の資産家・有瀧平太郎氏が私有地に庭園を造営しました。
平太郎氏の没後、子息の龍雄氏が隣接地を購入して庭園を拡張。
龍雄氏は高校教師で植物学者としても活躍し、研究用として暖温帯の珍しい樹木を中心に国内外から収集を続けたといいます。
庭園をアリタキアーボレータム(英語で「樹木主体の植物園」の意)と名付けました。
現在の敷地面積は9010㎡。
正面入り口では園内最大の巨樹シナサワグルミ(幹回り4.2m、樹高24m)が迎え、越谷市の天然記念物指定のラクウショウ(樹高27m)、生きている化石ともいわれるメタセコイア(幹回り3.63m、樹高31m)、米国ハーバード大学から贈られたマロニエ(アメリカスズカケノキ)など、樹木300種以上、草花250種以上が見られます。
シダレカツラは11月になるとキャラメルの香りのする黄葉を始めるといいます。

ボランティア団体「緑の会」が維持管理
2001年10月に龍雄氏が逝去、翌年遺族から市に遺贈され、2010年10月「越谷アリタキ植物園」として新たなスタートを切りました。
コロナ前までは、年間7000人ほどが訪れています。
越谷市の委託を受け、園の維持管理を行うのはボランティア団体の越谷アリタキ緑の会(茂櫛幸蔵会長/会員66人)。
毎週水曜に園路の清掃や野草の植え付け、雑草取りなどを行っています。
「剪定はなるべく少なくし、野生の植物はそのまま生かすようにして、自然な景観を損なわないように配慮しています」と茂櫛さん。

植物園内で見られる昆虫とその仲間たちを紹介する動画「アリタキ生き物語」も作成。希望者には園内ガイドも行っています(個人は日曜、団体は随時受け付け)。

なお12月19日(日)まで、越谷市市民活動支援センター(越谷駅東口前)では「越谷アリタキ緑の会発足10周年記念『タネの写真と植物画展』」を開催中。
併せて訪れてみては。(取材・執筆/ひのき)
住所/埼玉県越谷市越ケ谷2563-1
開園/午前9時~午後5時(10月1日~3月31日は~午後4時)
入園料金/大人(高校生以上)100円、小人(小・中学生)30円、未就学児無料
休園/月曜(祝日の場合は翌火曜)
問い合わせ/ 048-963-9225(越谷市都市整備部公園緑地課)、090-2764-8692 緑の会(担当/向笠)